首都圏のアイヌ料理店として親しまれ、文化の発信や交流の拠点となってきた「レラ・チセ」(東京都中野区新井)が7日に閉店し、15年の歴史に幕を下ろす。 レラ・チセ(アイヌ語で「風の家」の意味)は首都圏のアイヌ民族の団体「レラの会」が中心になり、94年5月、東京都新宿区西早稲田に開店した。 00年に中野に移転、ギョウジャニンニクやエゾシカの肉など北海道直送の素材を生かしたメニューを提供してきた。また、店はアイヌ語教室など民族文化継承の場としても活用されていた。 しかし、不況下で売り上げが減り、赤字経営が続いたため、閉店を決断したという。店長の松田弘治さん(46)は「閉店しなければならないことは残念だ。店があったことでアイヌ民族の存在を知ってもらう役割を果たすことができたと思う」と話す。 7日は午後5時から11時まで営業するという。(高波淳)