親も成長する時代:大江 弘(PHP総合研究所 教育研究部長) 2008年8月22日(金)15:32 なぜ「親学」なのか 昨年4月、教育再生会議は親学に関する緊急提言を発表するとの方針を打ち出した。「母乳で育児」「早寝早起き朝ごはんの励行」などの提言は、新聞紙上で大きく取り上げられ、世論は親学という耳慣れない言葉に戸惑いつつ、"家庭内にまで指針を出すのか"という反対派と"やはり親教育が必要"とする賛成派に分かれた。当時の『毎日新聞』の調査では、政府が親向けに親学・子育ての指針を出すことに、賛成47%、反対44%と拮抗している。 しかしこの親学(広義には、親として身に付けておきたい知識や技術、心構え、あるいはその学習)を求める提案は、けっして新しいものではない。1987年の臨時教育審議会の最終答申には「親となるための学習」の言葉が見られる。それ以後、教育改革国民会議等さまざまな答申、提