ノーベル物理学賞を受賞した東京大学宇宙線研究所長、梶田隆章氏の研究を支えたことで知られる、光センサー大手の浜松ホトニクス。1960年代、「NASA(米航空宇宙局)よりも進んでいる」と言われた同社は、研究開発と利益の確保を両立している稀有な会社だ。カリスマ性の高い先代から経営を引き継いだ、息子の晝馬明社長に話を聞いた。 浜松ホトニクスは2002年、東大の小柴昌俊さんがノーベル物理学賞を受賞した際にも、観測装置カミオカンデ向けに世界最大の光電子増倍管を開発されたことが話題になりました。それに続き、今回は2度目。しかも、15年9月期の決算で約1200億円の売上高を上げるなど、業績も好調です。どのようにして、世界の最先端をリードする研究と利益追求を両立させているのでしょう。 晝馬:研究開発か利益かで言いますと、この2つはそもそも、両立しないと経営が成り立ちません。コモディティーの製品は技術よりも市