ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>
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国権の最高機関であり、国民から選ばれた政治家が、国の進む道を決めるために議論をする場、”国会”。 首相や閣僚には、国会に出席し、答弁する義務があるとされている。しかし近年の国会では、首相や大臣、副大臣、大臣政務官、政府参考人(官僚)といった政府の代表者が、委員の質問に対し「お答えを差し控える」や「答弁を控えさせていただきます」と答弁拒否する光景を目にするのが増えた。 そこで本連載では、安倍政権の約7年間を「控え」という単語をキーワードに、誰が、どのような質問から逃げてきたのかを検証し、政府が国民に対し何を隠そうとしてきたのかを探っていく。本記事はその第一弾。 本題に入る前に、首相や閣僚の出席義務について説明しておこう。 国会には、議院の最終的な意思決定をする”本会議”と、本会議での最終決定を行う前に、予算・条約・法律案などの議案を専門的に審査する機関である”委員会”がある。 委員会には大き
5月8日の午後、私が取材を終えて「さあ原稿に取り組むぞ」と意欲をかき立てていた矢先に、武井由起子弁護士から電話がかかってきた。世の人の幸せと平和を願い、政治や人権の問題で積極的に発言している方だが、かなりの無茶振りをかます方でもあり、私は“東京の女王様”とお呼びしている(ちなみに大阪にも別の女王様が君臨している)。 「相澤さん、検察庁法改正がヤバいのよ。(以下、何がヤバいか延々10分ほど演説した後)それで、記事書いてくんない?」 私は「たまらんなあ」という雰囲気を思いっきり醸し出しながら答えた。 「おっしゃることはわかりますけど。私、いま文春の原稿抱えて結構大変なんですよ。赤木さんの件で。だからなかなか他のことに手が出せないんです」 「赤木さんの件」とは、森友事件で公文書改ざんをさせられて命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんと、妻の赤木雅子さんのこと。雅子さんは3月18日、国と佐川宣寿
2013~16年に「桜を見る会」に招待されたことを投稿する世界戦略総合研究所事務局次長小林幸司氏のFACEBOOK、14年には菅義偉官房長官と記念写真に納まる。(出典:世界戦略総合研究所事務局次長小林幸司氏のFACEBOOK。2013年4月20日、2014年4月12日、2015年4月18日、2016年4月9日) 安倍晋三首相が主催し毎年4月に新宿御苑で開かれている「桜を見る会」。地元山口県下関市の後援会関係者数百人を同会に招待していたとして8日、共産党の田村智子議員から国会で追及を受けた安倍首相。しかし、2013年から16年の「桜を見る会」には後援者どころか統一教会(世界平和統一家庭連合)関係者を招待していた。
2017年、安倍政権と統一教会(世界平和統一家庭連合)の癒着構造は加速する。5月、自民党本部や首相官邸に教団の北米会長一行が招かれ、直後の1万人信者集会では複数の自民党議員が来賓挨拶、7月には自民党議員団が教団の引率でアメリカを外遊、そして8月の組閣ではこれらの“行事”に協力した議員が要職に就いた。 同年5月7日から12日にかけて統一教会の金起勲(キムギフン)北米大陸会長が、教団系列のワシントンタイムズ財団と現役米下院議員を含む世界平和国会議員連合のVIPを引き連れて来日し『ファクトファインディングツアー』を行った。 金会長一行は、7日に自民党本部を訪問し、高村正彦副総裁や田中和徳国際局長と会談。 9日には、京王プラザホテルでの『日本─アメリカ国会議員有職者懇談会』に参加し、国会議員6人と歓談。そのうちの2人は長尾敬と安全保障委員会理事の中村裕之と判明した。 そして10日、菅義偉官房長官か
前稿に記した統一教会と安倍政権との裏取引疑惑には重要なポイントがある。 それは、安倍晋三自身が教団サイドと緊密な関係になったのは「いつからだったのか」という点だ。というのも、1968年に同教団系の政治組織・国際勝共連合の創設を後ろ盾して以降、教団と友好関係にあった祖父の岸信介や、教会員を自民党国会議員の秘書として紹介し各議員を教団のセミナーへ勧誘していたとされる父親の安倍晋太郎とは違って、安倍晋三にはそれまで統一教会とは一定の距離を置いていた形跡があるからだ。 安倍晋三と統一教会との直接の関係が最初に浮かび上がったのは2006年のことだ。 同年5月、統一教会系政治団体・天宙平和連合(UPF)が福岡で開催した合同結婚式併催イベント『祖国郷土還元日本大会』に、当時官房長官だった安倍晋三と元法務大臣で衆議院憲法審査会会長の保岡興治(2017年引退)が祝電を贈ったことが発覚した。 保岡については、
「全国区の北村さんは、山口出身の政治家。天照皇大神宮教(「踊る宗教」とも)の北村サヨ教祖のお孫さんです。首相からじきじきにこの方を後援してほしいとの依頼があり、当落は上記の『踊る宗教』と当グループの組織票頼みですが、まだCランクで当選には遠い状況です。参院選後に当グループを国会で追及する運動が起こるとの情報があり、それを守ってもらうためにも、今選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の『死活問題』です」 「全国区の北村さん」とは、2013年の参院選で自民党から比例全国区に立候補し当選した元産経新聞政治部長・北村経夫のことだ。そして北村への「後援」つまり組織票支援を「じきじきに依頼」した「首相」は、前年12月にその座へ返り咲き、第二次安倍内閣を率いていた安倍晋三内閣総理大臣その人である。では、首相みずから「じきじきに依頼した」相手とは如何なる宗教団体なのか。 組織票支援の見返りに
「PDCAほどすぐれたツールはありません」と自信たっぷりに語る経営コンサルタントを見たことがある。生産の現場だけではなく、政府レベルから企業のイノベーション、製品開発、そして教育や議会まで、多くの分野で導入されているPDCA。 PDCAとは、プラン、ドゥ、チェック、アクション(Plan-Do-Check-Action)の頭文字をとった、計画をもとに、行動し、チェックして、改善するという継続的改善手法だ。日本ではPDCAに関する本が多く出版されており、PDCAサイクルを回すことがビジネスマンの鉄則のように扱われている。 しかし、最近ではPDCAに疑問を呈する記事も目立つようになってきている(参考記事:日本が世界から劣後する一因が「PDCA」のやり過ぎ 世界は「デザイン思考」に –井上久男氏のYahoo個人)。しかし、このPDCAは日本オリジナルのドメスティックなものだという事実をご存知だろう
モリカケ問題追及が行き詰るなか、ポストモリカケといってもいい重大疑惑が浮上して来た。 しかも、モリカケ問題はあくまで官僚の忖度で、安倍晋三首相との関係は間接的とも見られるなか、このポストモリカケは安倍首相が少なくとも途中から直接かつ主体的に関与している可能性が高いのだ。 このポストモリカケの重大疑惑とは、筆者がスクープしたものである。安倍氏の地元、山口県下関市で99年4月にあった市長選に関し、地元の安倍事務所が反社会勢力にも通じる小山佐市氏(80)なる地元ブローカーにライバル候補に対する選挙妨害を頼んだというものだ。 選挙妨害の見返りが小山氏には約束されていたようだが、安倍事務所側はこれを反故に。これに怒った小山氏が、塀の中で知り合ったお隣、福岡県北九州市に本部を置く指定暴力団「工藤会」組長らと組んで、安倍氏の下関市内の自宅などに火炎ビンを投げ入れ、小山氏は非現住建造物放火未遂容疑などで懲
4月27日に公開された最新の有効求人倍率(参照:e-Stat)は3月では1.62倍有効求人倍率(新規学卒者を除きパートタイムを含む)となっている。ここ数年は1.0倍を超え、上昇の一途だ。 しばしこの有効求人倍率の上昇を政治の功績として取り上げられたりするのだが、実際は人口比率が変わってきたことにともなう、労働人口の減少が主因である。しかも、この有効求人倍率が右肩上がりに上昇している状況が喜ばしい、と考えるのは早計だ。 問題の鍵は「就職件数」だ。有効求人倍率が1.0倍を超えだした2014年以前は、1か月平均で18万人を超える就職があったものが、以降になってからは毎年下落し、ここ3年を見ても2015年は約15.9万、2016年は約15.1万、2017年に至っては月平均が15万人を割り、14.6万になってしまっているのだ。 なぜこのようなことが起きてしまっているのか? これは求人における賃金や技
森友学園建設予定地の国有地不当廉価売却疑惑に絡んだ財務省職員の自殺報道のあとに、Facebook上で満面の笑みを浮かべる写真をアップしたりと空気を読まないオンナの評価を揺るぎなくしている安倍昭恵氏だが、表向き「謹慎」しているはずの期間にまたやらかした。 謹慎中とは名ばかりで、その実、「根拠も証拠もないけれど、森友学園の問題は同和利権であり、安倍昭恵夫人とそういう話をしている」というデタラメを主張しているYouTuberに連絡を取ったりしていたのは周知の事実だが、今度はなんと、あのかつての「在日特権を許さない市民の会(在特会)」であり現在は日本第一党と称する極右レイシスト団体の関係者が関与するデモに感謝のメッセージを送っていたというのだ。 問題になっているデモは、安倍夫妻が「桜を見る会」に満面の笑顔で参加していた4月21日の土曜日。この日、大阪の御堂筋で行われた「偏向報道に負けるな! 安倍政
「森友学園」の籠池泰典・前理事長が、大阪・豊中市の国有地の売却をめぐり、去年3月に、自身と財務省との間で行われたやり取りを録音した音声記録を公開したことは多くのメディアで取り上げられた。 その後、フジテレビの「ミスターサンデー」が番組内で日本音響研究所に声紋鑑定を依頼。この録音の中に登場する財務省の田村氏について、99%の確率で本人の声紋一致たという。 録音の中で、田村氏が『特例』と言っているが、この「特例」について籠池氏は「(当時は)半月から10日に1度は、近畿財務局に通っていた。平成26年ごろから、財務省側が、突然、定期借地権契約に前向きになった」ことを指しているのではないかと語り、その背景には、「結果論だが、昭恵氏に小学校の名誉校長になってもらったことで、ある時期から、土地について、スピーディーに物事が動いたのだと思う」と語っている。 この録音テープを探し当てた菅野氏から、本サイトに
仕事中にBGMを流す人は多いでしょう。お気に入りの一曲を聞きながら作業をすれば、テンションが上がって効率よく仕事が進みそうな気がするものです。 が、本当にそうでしょうか?誰もが当然のようにBGMの効果を信じていますが、科学的に証明された事実なのでしょうか? 結論からいえば、現時点ではBGMの効果には否定的な結果しか出ていません。BGMで作業の効率が上がるどころか、逆に脳のパフォーマンスは落ちてしまうのです。 具体的なデータを見てみましょう。まずは2007年に英グラスゴー・カレドニアン大学が行った実験です(1)。 研究チームは、40人の被験者に対して以下の4パターンの環境で認知テストを受けさせました。 1.テンポの速い曲がBGMに流れている 2.ゆったりした曲がBGMに流れている 3.環境音がBGMに流れている 4.完全な無音 その結果は明確でした。BGMを聞きながら認知テストを受けた被験者
2月中旬の森友問題発覚以降、誰よりも「名を上げた」人物といえば、財務省の佐川宣寿理財局長ではあるまいか。 もっとも「名を上げた」と言っても「知名度」が上がっただけの話であり、そしてその「知名度」も、「優秀な官僚」としてのそれではなく「嘘つき男」としての不名誉なそれであるが。 国会で「関係する書類は全て捨てた」だの「当時の担当者は目下、病気療養中」だのと、見え透いた嘘をつき続け、答弁が終わるたびにあのドヤ顔で議場を睥睨する。あの姿の滑稽さに気づいていないのは、おそらく本人及び(彼のパワハラによって完全に萎縮してしまっているという“財務省関係者談”)、理財局の面々ぐらいのものだろう。 だが、一方で、これまで誰一人として「佐川理財局長の嘘」を立証しえなかったことも事実だ。 例えば、満天下の失笑を買うこととなった「財務省のシステムは、即座にデータが抹消される仕様になってございます」という答弁。こん
瑞穂の国記念小学校の4月開校を目指していた学校法人森友学園は、3月10日、突如これまでの方針を転換。大阪府に対し、学校設置認可申請の取り下げを自ら申し出た。 森友学園に関連する一連の疑惑への関心が最高潮に達していたタイミングでの突然の方針転換に、メディアは大混乱に陥り、同日17時半から開催された記者会見は大荒れの様相を呈した。 どうやら私は以前から、籠池理事長に目をつけられていたらしい。 理事長による経緯説明の後始まった質疑応答の冒頭で私は、「今回の、認可を自分からの取り下げるという知恵をつけたのは、稲田さんの旦那さんの稲田龍示さんですか?」と質問した。その瞬間、籠池理事長は言葉に詰まり、「ちょっと待って」と言いつつ、お茶を飲んだ。私の記憶が正しければ、二時間前後のあの記者会見で、籠池理事長がお茶を飲んだのはあの瞬間だけのはずだ。間髪を入れず次の質問を畳み掛けたが、名乗った瞬間、理事長は、
数々の疑惑に揺れる学校法人森友学園。 大阪府の松井知事が、学校設置認可に難色を示すなど、「瑞穂の国記念小学院」の4月開校の雲行きは怪しくなってきた。 しかしながらそんな中、森友学園は急遽、本日3月5日、「入学説明会」を開催。極秘裏に開催されたこの説明会の様子をリポートする 森友学園が3月5日に説明会を開催すると告知したのは2月の下旬。「瑞穂の国記念小学校」のWEBサイトにある「入学説明会」ページに「追加開催」として告知された。しかし告知文を読んでも開催日時が公表されただけ。欄外に「事前予約制となりますので、「資料請求・説明会のお申し込み」フォームよりお申し込みください」とあり、開催場所は事後に参加者に連絡されるという仕組みだ。 しかし、今回の入学説明会に参加した人の話によると、森友学園からはいつまでたっても、開催場所についての連絡はなかったと言う。そのため、やむなく参加者側から森友学園に連
学校法人森友学園による、不透明な国有地取得と学校建設に関する疑惑は、ついに、国会でも追及されることとなった。衆議院予算委員会では、民進党・共産党など野党議員からの鋭い質問が連日、繰り出されている。 2月22日、民進党・福島のぶゆき議員は、学校法人森友学園が運営する「塚本幼稚園」で、日本会議が発行する「憲法改正署名用紙」や、特定の政治勢力に対する罵詈雑言が書かれたプリントが配布されていた点を指摘し、「憲法改正を求める署名用紙を配布したり、『中共の手先』などと書かれた文書を配布することは、(教育基本法で禁じられている学校での)政治活動にあたるのではないか?」と、質問した。 これに関する文科省の答弁がすこぶる興味深い。 「私どもとしては、こうした個別の事例につき具体的な状況を全く存じておりませんので、それに関して具体的な判断はできかねる」(村田私学課長) なるほど。文科省におかれては、「個別の事
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