原発をどうするかについて考えるには、当然のことながら、まず現状がどうなっているかを正確に把握することが必要だ。そして、その「現状」の一番重要な、基本となるポイントは、原子炉の状態だ。福島第一原子力発電所の、一号機から三号機の原子炉の中の溶けた燃料は、今いったいどうなっているだろうか。 炉心の中のあるべき正規の位置にはもう燃料が無い、ということだけは、どうやらはっきりしているようだが、それ以上の所は誰にもわからないらしい。 可能性としては、およそ以下の4通りがある。 圧力容器の中 格納容器の中 格納容器を溶かして格納容器を飛び出している 冷却水の中に溶け出して、建屋の地下等の汚染水の中にある しかし、この中のどれかはわからない。複数の場所に分散しているのかもしれない。 燃料の位置もわからなければ、状態もわからない。溶けた燃料がひとつに固まっているのか散らばっているのか、それとも粉状になってバ