菅直人新内閣の成立によって、内閣と民主党への支持率はV字型に回復した。これを国民世論がムードに流されやすいからと見るのは間違いだ。去年8月30日で民主党への政権交代を選択した国民は変化を求めている。 「自公政権が続けば、日本はこれからじり貧になる。民主党政権になれば、とにかく変化が生じる。その結果が良くなるか悪くなるかはわからない。しかし、とりあえず、しばらくの期間、民主党に機会を与えよう」 というのが、今回の政権交代の底に流れる国民の基本認識であると筆者は見ている。 鳩山由紀夫総理(本稿における肩書きは出来事が起きた当時のものとする)と小沢一郎民主党幹事長は、政治家が官僚を指揮する構造転換を本気で行おうとした。これがかつてない危機意識を霞が関(中央官庁)の官僚にもたせた。 小鳩政権が「サブスタンス(政策の実質的内容)に通暁せず、無知蒙昧な国民に迎合する民主党のポピュリスト政治家が国家の支