鍼灸学校では、気は実在するものとして教えられる。 経絡も実在するものとして教えられる。 だから、それらが実在するという前提で、古代中国から伝わる東洋医学理論を学ぶ。 学校で学ぶ臓腑は、解剖学的な内臓とは異なったものであり、より概念的な機能を持つ。 東洋医学的知識を身につけたからといって、東洋医学的治療ができるようになるわけではない。 いくつか診断・治療の手法を学んだが、私には馴染まなかった。 そう、治療の手法が山ほどあるのだ。東洋医学には。 西洋医学では、標準的な治療法に収斂していくというのに。 私は、学校では、気を感じるということを学べなかった。 「鍼灸師は鍼を使う気功師だ」という言葉があるが、私は自分の気も人の気も扱うことができない。 不足している気を補う「補法」、過剰な気を取り除く「瀉法」。形はできるし質問されれば答えられる。 でも、その作業で本当に気が出入りしているのか? それが私