■非正規に転じ手詰まりに 親の介護に迫られ、正社員からパートや派遣などの非正規社員に転じる人が目立ちます。しかし、非正規に転じて収入が減り、かえって生活が不安定になる場合が少なくありません。介護費用や生活費もまかなえず、手詰まりになるのを防ぐには、どうすればいいのでしょうか。(清水麻子) 「朝から晩まで働いても、母の介護費が稼げない。でも介護があると、こういう働き方しかできない…」 東京都内の勝田真理子さん(32)=仮名=は派遣社員として主に百貨店の販売員として働きながら、若年認知症の母=60代、要介護5=を介護する。母と兄の3人家族。勝田さんの日々は過酷だ。12時間立ちっぱなしで働くことは珍しくない。帰宅後も休むひまもなく介護や家事を再開し、一息つくのは午前3時ごろ。しかし、母は2時間おきにたんの吸引が必要で、寝ついても、すぐに起こされてしまう。 「たんの吸引があるから、特養には入れても