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2012年9月20日のブックマーク (3件)

  • ブラック企業の存在をゲーム理論で考察する

    待遇の悪いブラック企業とは言え、そこで労働者が働いている限りは、社会的意義があると主張したところ、労働問題の専門家の濱口氏から「社会ゲーム上の非対称性が問題」だとツッコミが入った。なるほど。 完全情報で完備契約、そして摩擦無しを想定したが、例えば不完全情報を仮定するだけで、不幸にもブラック企業で労働する人々が現れる。教科書的なゲーム理論で考察してみよう。 1. ブラック企業が存在する採用・就職ゲーム まず、ゲーム木を描いてみる(ゲーム理論の詳しい説明は岡田(2011)などを参照)。 プレイヤーは企業と労働者だ。まず、企業が確率αで優良企業、1-αでブラック企業になる。次に、労働者が確率βで就職をし、1-βで就職をしないと決める。企業はα、労働者はβの値を決め、さらにαとβは相互に周知されている。しかし、実際に優良企業なのかブラック企業なのかの情報は、労働者は知る事ができない。濱口氏の言葉を

    ブラック企業の存在をゲーム理論で考察する
  • 社会保障の経済的側面?

    平成24年版厚生労働白書に関連した「社会保障を考える」と言うブログのエントリーがある。社会保障がいかに経済に貢献するかについて説明されているのだが、違和感を感じる点がある。社会学の人が書いていると思うのだが、想定されている人間行動に整合性が無いのだ。重箱の隅をつつくような感じだが、気になる部分を批判してみたい。 第1と第4でリスク回避度への影響を議論しているが、一貫していない。第1にで、生活保障がされると生存の為にではなく付加価値を高めるために競争を行うとしている。つまりリスク選好的になる。第4にでは、好況時にリスク回避的になり、不況時にリスク選好的になるとしている。好況時にリスク回避的になる理由は、明記されていない。 第2と第3で労働生産性の低い産業を排除し、低賃金労働を無くす機能を主張しているが、そこで述べられている企業家の行動がおかしい。エントリーでは企業家が、低賃金労働者を搾取する

    社会保障の経済的側面?
  • 積立方式への移行よりは、マクロ経済スライドの改良を

    少し前の記事だが、学習院大学の鈴木亘氏がブログで「(6)積立方式(=確定拠出方式)はインフレに弱い」を根も葉もない全く間違った俗説と主張している(BLOGOS)。その理由はインフレ率と名目金利が強く相関するフィッシャー効果だそうだ。『年金の積立方式はインフレに弱いという「永田町・都市伝説」』では、時系列グラフを使って説明もしており説得力があるように思えるが、積立方式への移行の必要性まではつながらない。 1. やはり積立方式はインフレに弱い ただし俗説と言い切るのは問題がある。1978年まではインフレ率の方が高かった。オイルショックや預金金利の自由化が1979年から段階的に進められている事もあるが、インフレ率が安定的に推移している時期しか参照されていない。また、金利とインフレ率のスプレッドは安定的ではない。また金利が自由化されているのに、金利とインフレ率が逆転する現象は国外では良くある。例え

    積立方式への移行よりは、マクロ経済スライドの改良を