『顔のない裸体たち』の刊行から一ヶ月ほどが経ちましたが、もうお読みいただけましたでしょうか? まだの方は是非! 例によって、賛否両論色々ですが、僕はそれを健全なことだと思っていますし、だからこそ、小説としては、まぁ、成功してるんじゃないかと、ちょっとほっとしています。読後の感想が割れない小説というのは、つまらない作品なんだという考えが、僕の中には根強くあります。 僕は、小説家としてかくあるべし、という拘りはあまりなくて、鴎外が、小説というのは何をどんな風に書いてもいいんだと言っていた通り、出来るだけ色々なことから自由でいたいと思っていますが、それでも唯一あるとすれば、「誤解されることを恐れない」ということです。「誤解されてもいい」という開き直りはよくないですし、出来るだけ、理解されるように書いているつもりですが、それでも、書きたいことを書き、言わねばならないと思うことを言い続けるためには、