(2019.03.31公開) ローマの中心部を少し北に外れて、MAXXI(国立21世紀美術館)を横目に見ながら西へ進んでテヴェレ川を渡ると、「フォロ・イタリコ」と呼ばれる一角が見えてくる。競技場などのスポーツ関連施設が集中しているこの一帯は、かつてファシスト政権下に建設されたもので、当初は「フォロ・ムッソリーニ」と呼ばれていた。 その入口付近に今も聳え立っている建造物が、図1に示したムッソリーニのオベリスクである。カッラーラ産の大理石を用いた真っ白なオベリスクの表面には、「ムッソリーニ統帥」という言葉が刻まれている。独裁者を顕彰する目的で建てられたオベリスクが、そのまま同じ場所に保存されているという事実に、違和感を覚える人もいるかもしれない。私が昨年訪れたときは夕刻、ちょうどフォロ・イタリコのスタジアムで開かれていたサッカーの試合が終わる頃で、家族連れや友人同士、たくさんの人がオベリスクの
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