ジョイ・オービソンは素晴らしい。なにしろ彼の叔父は80年代末という、まだこのジャンルが超アンダーグラウンドで、海のモノか山のモノかもわからなかった時期から活動しているジャングルのDJ、レイ・キースなのだ。30年ほど昔の話になるが、ぼくは彼の叔父が関わっていたロンドンの現場を経験している。それはいまだ忘れがたきハードコアで、ラフで、労働者階級的で、人種と汗の混ざったパーティだった。メインフロアがラガ・ジャングル、セカンドフロアがハウスという構成で、DJブースの脇には盛り上げ役としてMCとダンサーが立ち並んでいたが、そんな必要などないくらいにオーディエンスの熱狂が並外れていた。あんな汗まみれの現場で長年回してきたDJが身内にいる。しかも13歳にしてターンテーブルでミックスを覚えたら、それはもうUKダンス・カルチャーの申し子と言える才能が磨かれよう。 じっさい2009年の彼のデビュー・シングル「
コロナ禍におけるUKではハウス・ミュージックがかかる違法レイヴ──いまどきの別称でいえば“隔離(quarantine)レイヴ”が頻発していることはもはやよく知られたところで、当局が30人以上のレイヴを見つけた場合は主催者に1万ポンド、参加者にも100ポンドの罰金、二回目以降は3200ポンドの罰金を科すなど政府も取り締まりに躍起になっている。まさにアナーキー・イン・ザ・UKというか、なんでも7月末には3000人規模のレイヴがあり、8月のある週末にはわかっているだけでも200件を越えるイベントがあったそうで、8月22日の電子版『ガーディアン』によれば6月以降すでに1000件の違法レイヴが発覚しているそうだ。30年ぶりのレイヴ爆発である。 それにしても……1992年~93年のクリミナル・ジャスティスのときとは違った意味で警官(ただしフェイスガードしている)に囲まれているレイヴァーたちの写真を見て
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