「私が見た未来」というベストセラー本によると、2025年7月5日に日本で何かが起こるらしい。そのため、感受性の高い人があたふたしたり、日本への観光客が減っていたりして、影響が出ている。予言の夏、緊張の夏である。これまでいくつかの予言を生き抜いた僕からは「注意力が散漫になっているので交通事故に気をつけましょう」くらいしか言えない。予言や予言を信じる人をバカにしてはいない。なぜなら、僕は予言を信じ、予言で人生を軌道修正してここまでやってきた人間だからだ。 1991年の7月、高校3年生の僕はノストラダムスの大予言を信じるボンクラだった。ノストラダムスの大予言は1999年8月に恐怖の大王が空から落ちてきて人類が滅亡するという物騒な内容で、当時の米ソ冷戦世界情勢から核戦争を意味しているとか、未知の天体が地球に激突するとか言われていた。僕が通っていたのは大学進学率を信奉する地方の公立進学校だった。6月
