メディアで議論を開陳する構造改革な人たちが農林業等への「退歩的な産業シフト」に異議を唱えない(どころか今のところ推進側に立っているような)ところを見ると、日本における構造改革運動の本質があくまで政治的・イデオロギー的な(ほとんど信仰に近い)もの*1であり、経済学的な根拠に基づくものではないのではないか、ということが強く疑われる。もちろん旧来型の農林業ではなく企業化しろとか国際競争力をつけろとか言ってはいるが、現実問題として「他に投資した場合と比較して利益につながりそうもない比較劣位産業に投資しようとする」民間企業はかなり奇特と言えそうだし、ここでの「競争力」とは国家の競争力=国策的な意味であり、各経済主体からすれば「儲からない判断」を誰がするのかという話である。なので民間のインセンティブによってこうした企てが成功するとは思えない。仕方がないのでここで国家が農林業に介入し保護育成政策(=産業