6月3日、1キロのバニラは、1キロの銀よりも高価だ。写真は収穫されたバニラのさや。マダガスカル・サバ地区の農園で2018年7月撮影(2019年 ロイター/Clarel Faniry Rasoanaivo) 1キロのバニラは、1キロの銀よりも高価だ。ラン科バニラという植物を何年もかけて丁寧に栽培して収穫されるバニラは、サフランに次ぐ世界で2番目に高価なスパイスだ。 この5年足らずで、バニラの卸売価格は500%近く上昇している。世界的に高まる健康的な天然原料への需要が背景にある。 だが、供給面で問題もある。産地マダガスカルは近年、サイクロンや干ばつ、さらには盗難の被害に見舞われており、バニラの質や生産量が落ちているのだ。アフリカ大陸沖のインド洋に位置するマダガスカルは、世界のバニラの約8割を生産している。 調味料の世界最大手マコーミックにとって、バニラ不足は無視するには大きすぎるリスクであり、