「この地域で歯科医院を50年以上やってきて患者がこんなに減ったのは初めて。3月から徐々に減り、4月に入ってがくんと落ちた。いまは普段の4割にいかない状況」 東京有数のオフィス街、港区虎ノ門で「さくらだ歯科医院」を開く中川勝洋さんは、新型コロナウイルス感染症の影響をそう語ります。 全国的に通院控えが起きていますが、とりわけ都心は深刻です。患者の多くを占めるサラリーマンは出勤自粛。街の人通りもまばらです。古くからの患者には高齢者が多く、感染リスクが高いため医院側から治療延期を呼びかけています。 同医院では、13日から4人の職員を全員休ませ、中川さんと息子の院長だけ交代で出勤し、治療も緊急性の高い患者に限ることにしました。 テナント料は月75万円。医療機器のリース代も月20万円ほどかかります。 職員の休業手当は給与の100%を支給します。解雇しない場合、6月末までの特例で休業手当の9割が雇用調整