かっこ悪いって、何だか楽しい ――芸風には変化がありますか? 「それがまた不思議で。落語家さんにも、その方の年齢に合った落語があるっていいますよね。若いときのほうが変わった設定のものをやっているとか、尖ったセンスに走る笑いを目指すとか、あると思うんです。 オードリーでいえば、それこそ相方をちょっと遅れて出てこさせるとか、ボケの前に僕が叩くとか。そういうズレって、他にやってる奴いないから、『こうすればお笑いファンに褒められるかな』と思ってネタを書いていた。 でも、40にもなると、愚にもつかないくだらない設定が似合うようになってくる。この前なんて、『ここからあそこまで瞬間移動できるか試す』というネタを延々20分くらいやりました。これは30歳ではできないですね。おじさんってくだらなくなれるから、すごくラクなんです。 たとえば、若い頃は服がダサいと、本当にダサくなっちゃうけど、おじさんがダサいとな