老いては子に従え、ということで、米国史を「自国の歴史」として学んでいる息子たちから、ときどき目からウロコの話が聞けて面白い。 飯を食いながら、小学生のほうに「電報とは何か」ということを説明していたら、高校生のほうが、「そうそう、南北戦争で北軍が勝ったのは電報のおかげなんだよ」と口をはさんできた。 南北戦争というと、「奴隷解放」の美談になってしまいがちだが、実のところ「近代工業経済」vs.「旧型農業経済」の間の軋轢であったことは皆様ご存知のとおり。で、工業経済だった北軍は、その力を駆使して「鉄道」と「電報」のインフラをがんがん敷設したのに対し、南は鉄道も電報回線(当時、電報はまだケーブルで送信していて、無線電報はなかった)も少なく、あっても北軍のスパイがケーブルをスプライスして盗聴しており、情報はダダ漏れだったのだそうだ。鉄道の人員・物資の輸送力については説明の必要もないだろう。南軍は自分で