「トイレは犯罪の温床」とよく言われる。ではどの程度深刻なのか。 残念ながら、トイレでの犯罪に限定した公式統計はないので、トイレで起きる犯罪の典型である性犯罪に焦点を当ててみよう。 法務省の犯罪被害実態調査(2019年)によると、16歳以上の大人が受けた性被害は、警察が把握した事件の実に7倍だった。とすれば、子どもを含めて推計すれば、警察が知ることができた性犯罪は、全体の1割にも満たないことになる。確かに、これは深刻だ。 だからこそ、海外では、トイレが「犯罪機会論」に基づき設計されている。 しかし日本では、犯罪機会論が普及していない。そのため、日本のトイレは、構造上、世界で最も犯罪が起きる確率が高いと言わざるを得ない。それが、筆者が実施した100カ国に及ぶ質的調査の結果だ。 リスクとクライシスは別物グローバル・スタンダードである犯罪機会論では、安全な場所は「入りにくく見えやすい場所」だとすで
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