日本の教育は「総崩れ」ではない 【佐藤】だけど、教えた中学生の中には、大学レベルの授業に十分ついて来られる子もいて、驚きました。しかも、生徒たちには、他人の気持ちになって考える共感力があった。「受験刑務所」化していない証拠です。 先生と話していると、口には出さないけれども、受験には適性があるという思いが伝わってくるんですね。「覚えて再現する」という試験にも向き不向きがあるから、1、2年間頑張って、向いていないと思ったら無理して難関大学を目指す必要はない。受かる大学でしっかり勉強して、そこで上位層に食いこむほうが、よほど意味があるだろう、と。実際に生徒を教え、先生たちと話してみて、あそこの教育はグローバルスタンダードに耐えうるんじゃないかと、私は個人的に思いました。 あえてそういう経験をお話しするのは、特定の学校を持ち上げることが目的ではありません。日本の教育が大変なことになっているのは確か