Japanese Journal of Nursing Art and Science Vol. 10, No. 1, pp 111─120, 2011 研究報告 排便時における怒責圧が循環系に及ぼす影響 Influence of Intrathoracic Pressure at Defecation on Cardiovascular System 目的:本研究では,仰臥位と座位で排便時の怒責圧の強さの差異が循環系に及ぼす影響 を検討した. 方法:健康な成人男女 21 人(平均年齢 32.7 ± 10.1 歳)を対象に,室温 27℃,湿 度 50%に設定した人工気候室で実験を行った.被験者は仰臥位および座位姿勢をとり, 1回 15 秒の怒責をかけた.怒責圧は 10,20 および 30mmHg とし,その時の血圧と 心拍数を測定した. 結果:仰臥位と座位ともに,怒責圧が高いほど血圧・心拍