金魚、チューリップ、朝顔、フラフープ、カメレオン、シベリアンハスキー・・・。古今東西を問わず、人間社会には「ふっと出現し、ふっと消えゆく」ブームがある。それと同じように、ネット右翼の社会にも同じような「ブーム」が存在する。本稿は、2002年に出現したネット右翼が、「呪詛の対象」として前衛に置いてきたブームの変遷を振り返るものである。 (図は過去15年に於けるネット右翼「ブームの変遷」を示したもの、筆者作成) (1)「在日特権」という虚構の誕生 2002年の日韓共催ワールドカップをその分水嶺として発生したネット右翼は、当初、ワールドカップ熱に煽られるマスメディアと列島の熱狂をみて、「既成のマスメディアと広告代理店(主に電通)が、在日韓国人・朝鮮人の悪事や悪イメージを糊塗する大々的キャンペーンに乗り出した」という妄想を仕立て、それと並行して「在日特権」という概念を「創作」した。 「在日特権」と