島根県松江市の小中学校図書館が漫画『はだしのゲン』を閲覧制限していた問題で、26日、同市教育委員会が各校への制限指示を撤回。さまざまな議論を呼んだ騒動は、これをもって一区切りした。 ここまで議論が熱くなったのは、長きにわたって『はだしのゲン』が、手塚治虫の『火の鳥』と並んで、学校図書館にも置いてあるマンガ=すなわち「よいマンガ」のごとく扱われてきたことにある。中沢啓治氏は『はだしのゲン』を、原爆の恐ろしさを伝える意味もあって、子どもが泣き出すようなホラーマンガとして描いたという話も聞いたことがある。少なくとも「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載された第4巻までは、ホラーマンガといってよいだろう。左翼系雑誌に掲載された第5巻以降も、批判者たちが言う“間違った歴史と偏向”はほんの少しで、むしろ凄惨な暴力と、下品さが目立つ(作中でゲンが「タンタンタヌキのキンタマは~」と歌ってたり)。 そんなマン