エルピーダと経営統合交渉に入っているのは、資本・業務提携先で台湾1位の力晶半導体(パワーチップ)と、エルピーダと力晶の合弁生産会社、瑞晶電子(レックスチップ)、そして台湾3位の茂徳科技(プロモス)の3社だ。 エルピーダの坂本幸雄社長は「検討しているのは事実だが、決まっていることは何もない」としながらも、「(交渉がまとまれば)世界シェアナンバーワンが視野に入る」と意欲を見せる。統合が実現すれば世界シェアが約23%となり、首位の韓国サムスン電子に迫る規模となる。 交渉相手が資金ショートの恐れ ただ、この交渉の成否は予断を許さない状況にある。深刻な価格の下落で、再編に向かう体力が台湾勢にほとんど残されていないからだ。 まず、世界のDRAMメーカーを苦境に陥れた価格下落の推移を見てみよう。2008年6月、1ギガビット(ギガは10億)製品で1個2.15ドルをつけていたDRAM価格はその後、下げ圧力を