[Part1] オークションに300人集まる 権利を取引する「市場」構想も 3月27日、米サンフランシスコ。高級ホテルに設けられたオークション会場には、全米各地から通信、ソフトウエア、技術開発専門会社の特許担当者ら約300人が詰めかけた。 「15万ドルから始めます。17万ドル。はい右手の方から20万ドル。では22万ドル。ないですか?よろしいですか?」 競りにかけられた特許に、ある企業(A)が希望購入価格(a)を提示し、別の企業(B)はそれを上回る額(b)を積み上げる。「選択と集中」の中で、企業内では使わなくなった特許の活用を見直す機運が高まりつつある。 「カーン」。ハンマーの乾いた音が会場に響きわたった。 「SOLD(売却)!20万ドル」 通信技術に絡んだ特許が落札された瞬間だった。 出品された特許85ロットのうち、取引が成立したのは6ロット。落札総額は約306万ドル。半年前の前回の4分の