2年前,経営トップの手で大々的に発表されたソニーの動画共有サービス「eyeVio(アイビオ)」。同社は動画編集サイト運営のスプラシアにサービスを譲渡し,2009年5月末に撤退する。デジタル家電と投稿動画の連携サービスを模索したが,インターネット広告による収益化が頓挫した。「“ソニー色”が出てしまい,広告メディアとして中立性が保てない」(ソニー 広報センター)。同社は同年1月にも動画配信サービス「branco(ブランコ)」を閉じたばかり。ソニーの撤退は,デジタル家電とネット・サービスの連携の難しさと同時に,動画配信ビジネス自体が岐路に立つ現状を示唆する。 多くの動画配信サービスが収益化に苦しむ中,2009年4月には大手企業による再編や,新たな収益源を模索する動きが相次いだ。動画配信は,テレビを中心とするデジタル家電のキラー・アプリと目されるだけに,エレクトロニクス・メーカーにとって,その動向