19歳のとき、香港へ旅行に行った。友達と2人で、10日くらいぶらぶらして、船でマカオにも行って、すごく楽しかった。 泊まるとこも決めずに行ったのだけど、地下鉄の駅あがったとこで声かけてきたゲストハウスのおばちゃんが、うちの母さんに似てて、だから迷うこともなくそこ泊まることにした。おばちゃんの宿は、安宿の集合ビル、チョンキンマンションの中にあった。 土産物屋やキオスクのような売店がひしめく薄暗いビルの入り口は、とにかくいろんな人種の人でごったがえしていて、おばちゃんがいなければ足を踏み入れることすらためらったかもしれない。しかし、入り口近くにあるエレベーターに乗って、おばちゃんの宿につくと、中は意外なほど明るかった。しかも、私たちが案内されたのは、花柄のベットカバーがかわいい子供部屋のようなところで、私たちはすぐにそこが気に入った。 それからはひたすら町を歩いて、ひたすら食べ、たくさんの人と