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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (13)

  • 梅田望夫氏の開き直り - 池田信夫 blog

    梅田氏のインタビューが、あちこちで話題になっている。私が一番ひっかかったのは、次の部分だ:ただ、素晴らしい能力の増幅器たるネットが、サブカルチャー領域以外ではほとんど使わ[れ]ない、“上の人”が隠れて表に出てこない、という日の現実に対して残念だという思いはあります。そういうところは英語圏との違いがものすごく大きく、僕の目にはそこがクローズアップされて見えてしまうんです。この「残念」な状況を作り出した大きな原因は、はてなである。梅田氏が「バカなコメントが多い」といったように、匿名による悪罵が「上の人」を萎縮させて、日のウェブのレベルを下げているのだ。その結果、アメリカのブログは著名人が既存メディアの枠を超えてリアルタイムで議論する場になり、大手メディアに対抗する存在になりつつあるのに、彼も嘆くように日のブログはますます劣化している。 私は、これは「日文化」だとは思わない。それは戦

  • シリコンバレーの「核の冬」 - 池田信夫 blog

    Web2.0バブルが終わった。グーグルの大成功をみて多くの企業が参入したが、結局ものになったのはグーグルだけだった、とEconomist誌は総括している。それはビジネスとしては「2.0」なんかではなく、ドットコム・バブルと同じ広告モデルしかなかった。そして景気の影響をもっとも受けやすい広告ビジネスは金融危機で消滅し、また「核の冬」がやってきた。 資主義の条件は持続的に利潤を生み出すことだが、その基盤となっている市場メカニズムは利潤をいつぶす。マルクスもいったように、「商品経済は偉大なレヴェラー(水平主義者)」なのだ。利潤率は傾向的に低下し、国内で鞘が取り尽くされたあとは植民地から、そして植民地が独立するとグローバル資主義による「経済植民地」から、それも限界が来ると金融資主義によって・・・と絶えず新しい利鞘を追求する自転車操業が資主義の宿命だ。 しかし利潤は市場や情報の不完全性

  • 「自粛」という思考停止 - 池田信夫 blog

    SMAPの草磲剛氏が逮捕され、テレビ局は彼を番組やCMから外すなどの対応に大わらわだ。しかし彼の容疑は、深夜の誰もいない公園で裸になったことだけ。もちろんほめられたことではないが、誰かに向かって公然わいせつ行為を行なったわけではない。おそらく不起訴処分になるだろう。一般人なら、ちょっとした笑い話にすぎない。 こうした番組の内容と無関係な事件で放送を「自粛」する習慣は、昔はなかった。私の記憶では、自粛がひどくなったのは、1988年秋に昭和天皇が重体になったころからだと思う。あのときもNHKでは「皇室報道マニュアル」をつくって基準を決め、現場は「過剰報道や自粛はやめよう」ということにしていたのだが、いざ「危篤」(これは誤報だったのだが)という報道が流れると、マニュアルは吹っ飛び、「他社も自粛しているから・・・」という論理で、演芸番組などが軒並み中止になった。 この種の自粛には明確な基準もな

  • 映画ベスト100 - 池田信夫 blog

    ニューズウィーク日版で、「映画ザ・ベスト100」のリストを紹介している。アメリカ映画関係者が選んだものなので、ハリウッド映画に片寄っているが、連休にDVDを借りる参考になるかもしれない。このリストのうち80以上見たが、私のベスト10はかなり違う:博士の異常な愛情 タクシー・ドライバー 戦艦ポチョムキン 大列車追跡 パルプ・フィクション 勝手にしやがれ ストレンジャー・ザン・パラダイス ブルー・ベルベット 真夜中のカーボーイ カッコーの巣の上で1は文句なしのトップで、「2001年宇宙の旅」より映画としておもしろい。あとは順不同だが、この種のリストでいつもトップになる「市民ケーン」は、何がいいのかちっともわからない。「ワンシーン・ワンカット」の技法は溝口のほうが早いし、作品の完成度も高い。映画史上の重要性なら、3には及ばない。4のキートンは、日ではチャプリンに比べてま

  • 希望を捨てる勇気 - 池田信夫 blog

    昨今の経済状況をめぐる議論で、だれもが疑わない前提がある。それはこの不況が、いずれは終わるということだ。日経済にはもっと実力があるので、政府が景気対策で「GDPギャップ」を埋めて時間を稼いでいれば、「全治3年」で3%ぐらいの成長率に戻る――と麻生首相は信じているのかもしれないが、昨年の経済財政白書は次の図のような暗い未来像を描いている: これは秋以降の経済危機の前の予測だから、潜在成長率は1%弱だが、今はマイナスになっている可能性もある。90年代の「失われた10年」と現在はつながっており、そしてこの長期停滞には終わりがないかもしれないのだ。これを打開するには、生産性を上げるしかない。特に雇用を流動化して労働の再配分を行なう必要があるが、それには非常に抵抗が強い。日の産業構造が老朽化しており、これを再編しないと衰退する、と多くの人が90年代から警告してきた。20年間できなかったことが、

  • iPhone 3Gはジョブズの敗北宣言 - 池田信夫 blog

    iPhoneの3G対応がメディアで話題になっているが、「全米で600万台のベストセラー」だって? パラダイス鎖国では、この程度でベストセラーなのかもしれないが、ノキア1100は2億台、モトローラのRAZRでも5000万台売れてるんだよ。上の図のように、スマートフォンのシェアでもBlackberryの半分にもならない。 事実は逆で、iPhoneは携帯端末としては売れ行き不振だから、AT&Tに補助金をもらって見かけ上の価格を200ドル下げただけのことだ。その代わり、通信料金は2年で240ドル増える。2年以上使ったら、事実上の値上げだ。日ではソフトバンクが売るようだが、こっちはそういう詐欺的な価格表示はやめたから、4万円ぐらいだろう。 もともとiPhoneがAT&Tから出たのは、3Gへの対応が遅れて急成長するベライゾンに抜かれるのが時間の問題だったAT&Tが、ジョブズの「設計にも価格にもい

  • 404 Blog Not Foundを読むのをやめた - 池田信夫 blog

    前にも書いたように、私のRSSリーダーには、日のブログは5つしか登録してないのだが、その一つ、404 Blog Not Foundの登録を解除した。理由は、毎週『週刊ダイヤモンド』の広告を読まされるのはごめんだからだ。 私は書評をやっている関係で、もう9年近く、週刊ダイヤモンドが毎週、自宅に送ってこられるが、率直にいって最近の同誌は、定期購読する価値があるとは思えない。先週号の「 年収が20倍増えた仕事術」という特集は、自社ののキャンペーンで、読んでいて気分が悪くなった(おかげで勝間さんに八つ当たりして、すいません)。買うなら『週刊東洋経済』のほうが、ずっとおもしろい。 今週号の「ウィルコム・負け組からの脱却」も、他社や客観的な立場の専門家への取材もしないで、技術的な実態の不明な「次世代PHS」の宣伝をしている。私もPHSのユーザーだったが、去年やめた。自宅(東京・自由が丘)からさ

  • BaiduがGoogleを抜く方法 - 池田信夫 blog

    きょう世界第3位の検索エンジン、Baidu(百度)の日語サイトの運用が始まり、それに合わせて中国社のCEO、Robin Li氏が来日した。そのミーティングにまねかれたので行ってみたら、記者会見ではなく、佐々木俊尚氏やDan氏など、おなじみのブロガーばかり10人ほど。ブログから1次情報の出る日が来たのかもしれない。 気の毒な大手メディアのために、とりあえず第一報を提供しておくと、Li氏は39歳。NY州立大学で修士号をとった、絵に描いたようにハンサムな中国の新世代エリートだ。Baiduの中国内シェアは70%、世界市場シェアは5%で、GoogleYahoo!に次ぐ。日での戦略は、Yahoo!などに対抗するのではなく、「セカンド・サーチエンジン」をねらうという。特徴は「遊ぶ」検索サービスで、動画検索や画像検索に力を入れる。漢字文化圏どうしの強みを生かして、検索精度も上げる。 ただし「キ

  • マイクロソフトがITゼネコンになるとき - 池田信夫 blog

    今から9年前、私がW3Cのメンバーだったとき、日の会議に松下電器のエンジニアをまねいて話を聞いたことがある。テーマは「通信と放送の融合」。20年近く前からいわれ続けていたテーマだ。ウェブとは無縁の家電メーカーをまねいたのは、彼らが初めてXMLでデータ放送の規格をつくったと聞いたからだった。 ところが話を聞いて、私は疑問をもった。その「BML」というマークアップ言語は、どうみてもHTMLとはまったく異質な規格だったからだ。私が「その言語はHTMLとの互換性はどうなってるんですか?」と質問したら、彼は「ありません。これは放送の規格だから、通信との互換性は必要ないのです」と答えた。今度は会場の人々が驚いた。質疑応答はこんな感じだった:Q: 物理層からアプリケーションまでごちゃごちゃに規定されてるけど、バージョンを変更するときはどうするんですか? A: これはLSIでテレビに内蔵して供給する

  • 視聴者もストライキを - 池田信夫 blog

    TechCrunchによると、アメリカの脚家のストライキは泥沼化の様相を見せているようだ。それでも、テレビの脚の再放送料が12万ドルというのはすごい。日の構成作家は、放送でもこんなにもらえない。特にひどいのは民放で、下請けや孫請けにピンはねされて、演出料や脚料は数十万円がいいところだ。前にも紹介した「あるある」のように、スポンサーの払う1億円のうち、孫請けプロダクションには860万円しか渡らないからだ。 最近は、搾取の中心が「下流」のテレビ局から「上流」の芸能事務所に移っている。もしジャニーズ事務所と吉興業とオフィス北野がストライキをやったら、民放の夜の番組は3割ぐらい消えるだろう。制作能力のなくなった民放が、番組を企画段階から芸能事務所に丸投げしているため、彼らがいないと何もできないのだ。私もかつてオフィス北野に出演交渉をしたことがあるが、「たけしが企画した番組しか出ない

  • 電話の向こうのグローバリゼーション - 池田信夫 blog

    久しぶりに、自宅のコンピュータを買い換えた。デルの最低価格モデルで、モニタ付で6万4000円。デルは丈夫なので、前のマシン(MEモデル)は6年使ったが、さすがにハードディスクが飛んだので、買い換えた。OSはVistaだが、モニタが横長なので、字がみんな横長に見えて気持ちが悪い。恥ずかしながらVistaは初めてなので、久しぶりにサポートセンターに電話した。 私「字が横長に見えるんだけど、どうすればいいんでしょうか?」 サポート(中国語のアクセントで)「お客様、これからはワイド画面の時代だから、それ当たり前ですよ」 私「当たり前ってことはないだろう。だったら4×3のモニタに交換してよ」 サポート「・・・責任者に聞いて、こちらからお電話します」 ・・・といったやりとりを何往復しても、らちがあかない。そのうち、画面設定を変更することに思い当たった。やってみると、さすがにVistaは、14

  • 池田信夫 blog はてなに集まるネットイナゴ

    2ちゃんねるなどで、韓国中国を差別する連中を「ネット右翼」と呼ぶが、前にも書いたように、これは正確ではない。当ブログの記事についての反応を見ると、「慰安婦」のような話題については、たしかに賛同する意見が圧倒的だが、デジタル放送や著作権法などの話題では、むしろ反政府的な意見が共感を集める。彼らが朝日新聞を攻撃する理由は、政治的な保守主義ではなく、知的エスタブリッシュメントへの反発なのだ。 その意味で、政治的に中立な「ネットイナゴ」という言葉のほうがいい。ウィキペディアによれば、この言葉を定着させたのは産経新聞の記事だそうだ。たしかにこれはうまいネーミングで、1匹ずつは取るに足りない虫けらが、付和雷同して巨大な群れをなし、作物をい散らかす様子によく似ている。 ネット右翼のメッカが2ちゃんねるだったとすれば、ネットイナゴが集まるのは「はてなブックマーク」だ。たとえば今日の当ブログの記事に

  • IT業界のマーフィーの法則 - 池田信夫 blog

    今週のEconomist誌に、RFIDとiPodの記事が出ている。そこからIT業界で新しいビジネスが成功する条件を考えてみよう。RFIDの特徴は、次のようなものだ:最先端の技術を使い、これまで不可能だった新しい機能を実現するNTTや日立など、多くの大企業が参入し、大規模な実証実験が行なわれる数百の企業の参加するコンソーシャムによって標準化が進められる政府が「研究会」や「推進協議会」をつくり、補助金を出す日経新聞が特集を組み、野村総研が「2010年には市場が**兆円になる」と予測するこれは、ITビジネスが失敗するマーフィーの法則である。最初から多くの利害関係者がからむと、コンセンサスの形成にほとんどの時間が費やされ、何も商品が出てこないのだ。同様のケースは、ハイビジョン、INS、VAN、TRON、デジタル放送、電子マネー、WAPなど、枚挙にいとまがない。その逆がiPodだ:要素技術はありふれ

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