携帯電話の通信設備を貸し出す際の接続料をめぐって、司法の場で争う見通しとなったNTTドコモと日本通信。「2008年に合意した接続料の算定式を2010年度以降、ドコモが一方的に変更した」と主張する原告側の日本通信に対し、ドコモは「法令やガイドラインに従っている」と反論。いまのところ、両社の主張は真っ向から対立している。 ドコモの通信設備を利用しているMVNO(仮想移動体通信事業者)の加入者はドコモの加入者でもあり、両社の関係は本来、「ウィン―ウィン」であるはず。それがなぜ、これほどまでにこじれてしまったのか。 両社の主張を取材する中で判明した未回収コストの存在などを基にドコモの危機感を分析していくと、日本通信とはまったく別の、ドコモにとっての真の脅威が浮かび上がってきた。 年間3500億円の未回収コスト 「ドコモのコスト負担分がMVNOと同じなら、2010年度実績で3500億円のコストが未回