Ⅱ 記号の基本的性質 4 記号過程を重視するパースの記号論 「アメリカ合衆国が生んだ最も多才で、もっとも深遠なそして最も独創的な哲学者」といわれるチャールズ・サンダース・パース(Charles Sanders Pierce,1839-1914)は、ソシュールと同じような時期に記号論を創設し、多くの著作を残しました。パースは、哲学者であるとともに、論理学者、数学者、物理学者、化学者であり、ソシュールとは異なり、記号とそれが指し示す対象を記号を受け取った人がどのように関係づけるか、その「記号過程」に重点をおいて研究しました(米盛祐二『パースの記号学』)。パースは自然科学系の学者であり、記号と対象を結び付ける解釈項は推論であり、演繹、帰納、仮説推論といった数学的概念で分類しています。その記号論も、エンジニアである我々にはある種の親近感が持てるものがあります。 4.1 パースは記号を3要素モデルで
文献一覧 > 事典項目執筆 > 情報学事典 『情報学事典』での「記号論(記号学)」の解説 北川高嗣他編 『情報学事典』、弘文堂、2002年刊より →Amazon.co.jpで購入 記号学(記号論) 英語:Semiology (Semiotics) 仏語: sémiologie (sémiotique) 項目執筆者 石田英敬 自然および人間の事象を記号および記号作用の観点から研究する一般学、「記号学Semiology」あるいは「記号論(Semiotics)」と呼ばれる。現代言語学の祖とされるスイスの言語学者ルイ・フェルディナン・ド・ソシュール(Louis Ferdinand de Saussure 1867-1914)が提唱したのが「記号学(sémiologie)」、アメリカの論理学者・哲学者チャールズ・サンダース・パース(Charles Senders Peirce 1839
斉藤史哲 (総合理工学研究科知能システム科学専攻 長谷川研) 実世界中で知的に振舞うエージェントを創作するには記号接地問題を克服することが重要な課題である.記号接地問題とはエージェントが内部に持つ記号系と実環境に存在する事物をいかに結び付けるかという問題である. 極端な例として,エージェントに「リンゴを取って」という命令をしたい場合,リンゴとは何かを定義し,ルールを作成しておかなくてはならない.「リンゴとは赤くて,丸くて,このぐらいの大きさで・・・」とルールを追加した場合,今度は赤とは何か?丸いとは?などのルールをさらに追加しなくてはならなくなってしまい,結局ルールが完成しない. このような「赤い」「このぐらい」「大きい・小さい」などの感覚的で曖昧な表現の差異を知覚し,柔軟に振舞うことは人間にとってはたやすいことである.しかし,実環境で振舞うエージェントは知能を形成するコンピューターに厳密
1. 日本赤ちゃん学会 第12回学術集会@玉川大学 6月2日(土) 13:00~15:30 自主ラウンドテーブル RT-2 記号を用いたコミュニケーションを 実現するために何が必要か? ― 記号創発ロボティクスの視点から ― 企 画 者: 田口 亮(名古屋工業大学) 谷口 忠大(立命館大学) アドバイザー: 岡田 浩之(玉川大学) 2. 企画趣旨 家庭用ロボットの実用化を間近に見据え,実生活環境で動作するロボッ トの学術的競技大会であるロボカップ@ホームリーグ世界大会が毎年開 催されている.競技を通じて,ロボットと人とが身近な場面で実世界の事物 を対象にコミュニケーションすることが極めて重要かつ困難な課題であるこ とが明らかにされている. コミュニケーションの場面において,人は言語やジェスチャー,表情,視 線といった記号を用いて,他者の注意状態や心理状態を意図した事物・事 象に向けさせ,そ
2006年1月23日から2007年10月30日までの FC2ブログ版『ことば・その周辺』の記事タイトルです。これ以降の記事は直接『ことば・その周辺』でご覧下さい。また、カテゴリー別のタイトル一覧は「カテゴリー別全記事インデックス」(FC2) で見られます。 2007.10.30 割り算から見た量(2)――絶対量と相対量 2007.10.28 割り算から見た量(1)――内包量と外延量 2007.10.19 ブログ・リニューアル(4)――記事の表示順を変更しました 2007.10.18 存在と対象(4)――対象的なものは存在する 2007.10.17 存在と対象(3)――非存在という概念 2007.10.15 存在と対象(2)――現象するものは存在する 2007.10.07 概念は「言語」に先立つ(5) 2007.10.07 0の概念・マイナスの概念(2)――量概念からの抽象 2007.10.
いつでも旅立てるように、一切合財を二つのトランクにまとめて、眠りにつく。 すんでのところでナチスの手を逃れて以来、レオ・シラード(1898〜1964)の習慣は生涯変わることがなかった。 シラードはいつも移動していた。 どの国にも、どの組織にも、どの町にも、そしてどの分野にも、落ち着くことなく。 ひとつのところに腰をすえて積み重ねるよりも、次の扉を開ける方をシラードは選んだ。そしてそれを選び続けた。 コスモポリタンな科学者コミュニティですら彼には狭すぎた。 自らの成果を学術論文で著し同業の研究者たちの承認を得ることよりも、特許をとることの方をシラードは好んだ。 知的営為にとって、大学を含めて〈組織〉に属することは決してプラスにならないと信じた。そして特許は組織に属しないための手段であると考えた。 シラードが得た特許は多い。 その中には、X線センサー素子を皮切りに、電子顕微鏡や線形加速器、サイ
1 思いついたことをEvernoteへ放り込む 放り込むのは、大抵は、端切れのようなもので、多くはダジャレに属するようなものです。 例えば 「数学は待ってくれる」(言うまでもなくルビッチの映画のタイトルのもじりです) とだけ書いたメモがEvernoteに投げ込まれます。タグはつけず、なんでも分け隔てなく「メモの投げ込み先」フォルダに入ります。 これだけだとどうしようもないので、この段階で書かれたものは、大半がそのまま塩漬けになります。 2 何度も同じことをメモする こうしてメモしていると、別の日に似たようなこと(時にはほとんど同じこと)を、メモしていたりします。これもタグなし、「メモの投げ込み先」フォルダ行きです。 このとき、前に書いたことを思い出すこともありますが、思い出さない方が多いです。 3 似たようなメモがたまってくると、何か書けそうな気がしはじめる 同じようなことを4~5回メモす
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