臨床ではなく、思想として 自分のラカン入門を例にして、どんな順番でラカン本を読んでいくのがいいのか考えてみた。もちろん臨床ではなく、思想としての入門。それから主要な理論についてはいくつか図解もするので、参考にしてもらえればと思う。 よく知られているように、ラカンには残念な偏見がつきまとっている。難解だと言われ続けた挙げ句に、「理解させるつもりがない」とか、構造主義やポストモダンと一緒に「もう終わってる」と言われ、そもそも精神分析自体が脳科学などの認知科学や神経生物学などに取って代わられた事実もあったりして、最終的には「ひねくれた」理論というレッテルを貼られているような状況である。 たしかにラカン自身わざと難解にしている節もあるし、そのせいで敷居も高い。またポストモダニストと共鳴している部分も往々にしてある。くわしいことは知らないが、理論としても、臨床としても、少し古くさいものなのだろう。し