SNS等を通じて誰もが自分の意見を発信することができる今、20世紀型の全体主義とは異なる「デジタル全体主義」が登場している。あらゆる情報がデータ化され、一部のエリート層によって社会が動かされることにより、「無用者階級」が生み出される懸念もある。社会の格差や分断が広がる中で、どのような社会を目指していけばいいのか。(全7話中第1話) ※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長) ≪全文≫ ●20世紀型の全体主義とは異なる形の全体主義が登場している ―― 皆さま、こんにちは。 中島 皆さま、こんにちは。 ―― 本日は中島隆博先生に「デジタル全体主義を哲学的にどう考えるか」というテーマでお話いただきます。中島先生、どうぞよろしくお願いいたします。 中島 よろしくお願いいたします。 ―― 今日は哲学講義ですが、いろいろな哲学者の紹介というよりも、現代的な問題を哲学的にどう考えていくかについ
古代ローマの雄弁家キケロは、教育には二種類あると述べた。子どもに対する教育が一通り終わった後、必要になるのが「フマニタス・ポリティオル」という「人間性を磨く」ための教育だという。人間性を磨くのは、キラキラにするためではない。余分なものを削って普遍にたどりつくためである。(全15話中第5話) ≪全文≫ ●キケロが指摘した「二種類の教育」とは 津崎 前回の話を聞いていて、もう一回出発点というのかな、話の最初のほうに戻っていくと、「知識」も必要。つまり、知識を入れておく「箱」も必要だけれども、もう一つ上に段階があって。例えば、その箱を壊していく。箱から自由になる。あるいは箱に入っていた知識と一見すると関係がなさそうな知識を結びつけていく。こういうふうに、二段階ありそうだと分かってきたんだけど、そこで思い出したのがやっぱり同じキケロなんだけど、『弁論家について』のなかでキケロは「教育には、二つある
学校法人インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)代表理事の小林りん氏が、今後の人材育成のあり方について語る。従来の教育や減点主義の人事考課では、急速に変化する現代社会に適応できる人材を育成できない。自分と周囲に問い掛ける力、多様性に対する寛容力、リスクを取る力を養うことが重要だ。(全2話中第1話) ≪全文≫ ●今の教育や人事考課では10年先の人材はつくれない 教育も企業の人材育成も、この10年、20年の間ずっと、「高度成長期とはもう違うのだから、変わらなければいけない」と言われ続けてきました。ただ、今までとは違って、この数年の間にAIなどの発達によって、実際に私たちが想像できないようなスピードで社会が変わりつつあります。 今までは、何となくこのままではいけないだろうと思いながら、10年、20年とやり過ごしてきたのですが、今後は、実際に想像もできないような世界になっていくと
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