現代に生きる私たちは、意外な形の脅威にも備えなければならない。 その一つかもしれないのが、核兵器を高さ30キロメートルから数百キロメートルの高高度(高層大気圏)で爆発させる電磁パルス(EMP)攻撃だ。 原爆や水爆について、日本人は広島、長崎の惨禍を連想する。広島では上空600メートル、長崎は上空500メートル付近で原爆が爆発した。 一方、EMP攻撃は核爆発の現場があまりに高高度であるため、核兵器による熱線、爆風、放射線で直接死傷する人は出ない。 にもかかわらず、攻撃された国の文明社会は崩壊し、たとえば日本なら、何千万人もが餓死に追い込まれるかもしれない。 核爆発で強力なEMPが生じる。高高度なら、その下の極めて広い領域にわたって、対策を施していない電子機器・電子回路に過剰な電流が流れる。電子機器・回路は破壊されたり、誤作動したりする。核保有国はこの現象を知っている。 広島市国民保護協議会専