井上理 日経ビジネス記者 1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ この著者の記事を見る
少子化が深刻化する中で大ブレイクした子供向け玩具や、人口減が進む中でも乗客を増やした鉄道会社、不利な条件を克服して黒字化を実現したプロ野球球団……。 日経ビジネス6月24日号では、成熟市場や縮小市場でも、熱心な顧客を原動力に、成長を続ける企業を紹介した特集「熱狂顧客の育て方」を掲載した。 熱狂的な顧客が下支えし、成長を遂げる企業――。このテーマで取材を進めるなかで、気になる企業があった。日本の中古本や漫画・アニメ関連グッズ、玩具などを販売する「まんだらけ」である。 同社の創業者であり社長の古川益三氏は、東京・中野の「中野ブロードウェイ」に漫画専門の古書店「まんだらけ」を開業した。このまんだらけが中心になって、中野はサブカルの町と称されるようになった。今では、まんだらけやその店舗が入る中野ブロードウェイは「マニアの聖地」とまで呼ばれている。 今回の特集でまんだらけに着目したのは、同社に漫画や
電通、月内に研究所 広告代理店大手の電通は3日、アイドルやアニメなどの熱狂的ファンである「オタク」を専門に研究するシンクタンク「オタクがラブなもの研究所」を3月中に設立することを明らかにした。オタク専門の研究機関は業界初という。オタクたちがメガヒットをいかにしてかぎ分けるのかを分析。「ヒットメーカー」としての感性を商品開発に反映させ、新たなヒットを仕掛ける狙いがある。 研究所では、オタクの関心がどこにあるのかを定点観測。オタク研究の有識者ネットワークを構築するなどしてヒット商品の開発に生かす。 オタクに対する世間のアレルギーも大幅に減っており、電通の調査では「自分をオタクと思うか」の質問に約38%が「そう思う」「そう言われる」と回答。狭い世界での流行がインターネットを通じて情報発信され、幅広い人々に受け入れられやすくなっていることもビジネスチャンスを生む背景になっている。 確かに「オタクの
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