過去10年間におけるITの飛躍的な発展は,ほんの少し前まで空想として語られてきたユビキタス情報社会を現実のものとしつつある。それは一方で,人類の創出する情報量がかつてないほどの勢いで爆発的に増加していく「情報爆発時代」の幕開けでもある。すでに情報はライフラインであるだけでなく,情報をどう活用するかが,ひとりひとりの生活やビジネスの価値を左右し始めた。この情報インフラ整備から情報の利活用へとシフトする社会のニーズに応えるため,次世代へのブレイクスルーとなるイノベーションをめざし,産学官の連携によるダイナミックな知の融合が始まっている。 今日のユビキタス情報社会を,より豊かで,成熟したものへと導くために,時代が求める技術の方向性とは。さらに,次代を担う人材を育成する方法とは――。 これまで,わが国における情報通信分野の発展を牽(けん)引してきた総務省大臣官房 松本正夫技術総括審議官,データベ