現在までの経緯今年1月以降、小康状態にあったドンバス(ウクライナ東部のドネツク及びルガンスク両州)での戦闘が激化している。 簡単に経緯をおさらいしておくと、昨年8月、ほぼ総崩れ状態に陥っていた親露派武装勢力は、戦車や火砲を含む大規模軍事援助や、ロシア軍本体(ロシア正規軍から抽出された人員・装備から成る「義勇軍」)の介入を受けて一気に形勢を逆転させ、さらにアゾフ海沿いにあるドネツク州の暫定州都マリウーポリにまで迫った(この間に経緯については次の拙稿を参照。「ロシアによるウクライナへの軍事介入が始まった:ルビコン河を渡ったロシア軍(ただし、ゆっくりと)」)。 この結果、ウクライナのポロシェンコ政権はついに親露派を交渉相手とする停戦協議に応じざるを得なくなり、9月5日、ベラルーシのミンスクで停戦に合意した(ミンスク合意)。 反故にされた停戦合意しかし、その後もドネツク市郊外のドネツク空港などを中