埼玉県で起こった道路陥没の穴は当初、直径約10m、深さ約5mだった。それが、ここまで深刻な事態に発展するとは当時、誰も想像しなかっただろう。誤算の連続で対応が後手に回り、被害拡大を防げなかった。 被害が拡大した大きな要因は、即座に埋め戻すことができなかった点だ。トラックが陥没穴に転落したため、まずは運転手を救助しなくてはならない。そこから誤算の連続が始まった(資料1)。 事故が発生した2025年1月28日、トラックの中から運転手を救出できなかったため、クレーンでトラックを引き上げる方針に転換。70t吊りと25t吊りと見られるラフテレーンクレーンで吊り上げを開始したが、ワイヤが重さに耐えきれず切れてしまった。 続いて70t吊り、60t吊り、25t吊りのクレーンを1台ずつ使い、再度吊り上げを試みたところ、29日午前1時ごろにクレーンの足元付近で2つ目の陥没が発生(資料2)。トラックの荷台は地上
