最初に映画のほうを見た。行定勲監督・蓬莱竜太脚本の映画『ピンクとグレー』である。今思うと幸いであった。映画のキャッチフレーズである「幕開けから62分後の衝撃! 」についてはなにも知らなかったからである。 映画の手法としてはおそらく、そう特異なものでもないだろう。映画の作り手の側の、ある意図がこのような手法を採っているのだろうということは、自分なりにも理解できた。映画ツウ的な映画であろう。と同時に、70代に少年時代を過ごした私の世代にとってはATG的な映像の作りにも似ていて共感していた。 先に触れたキャッチフレーズにあるように、映画作品としては、というか興行的には大きなどんでん返しがある。『シックスセンス』のような最後のどんでん返しというより、映画の中盤にあり、その部分は、いわゆるネタバレに属するのだろうと思う。その意味では以下は、ネタバレを含む。 だが、これはネタバレというより、現代小説や
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