「ぼく、オタリーマン。」(中経出版)などで人気のマンガ家よしたにが、本紙で連載「よしたにのへぇぇ」を始めた。いろんな会社の一風変わったルールを紹介する「へぇな会社」(月曜夕刊、東京・大阪版のみ)につく4コマだ。 「オタリーマン」は、オタクなサラリーマンの日常を自虐ギャグで描く。システムエンジニアの激務、ダメ出ししてくる上司との衝突、「営業のせい」といった言い訳でドツボにはまる自分……。 ところが最新6巻で、会社をやめマンガ専業になったと明かした。じゃ「オタリーマン」はどうなるの? 「名前は変わるかもしれないが、日常エッセーものとして続けたい。マンガ一本に絞ったら仕事がもっとはかどるかと思ったけど、結局、締め切りが近づくまでダラダラしたり、朝起きる時間が自由になったので夜遅くまで飲んでしまったり……」 入社時の自己紹介が長すぎてドン引きされた、といった会社ネタは、「へぇぇ」で続きそうだ。「自
館内は飲み物の持ち込み可。雑誌売り場近くの席でも、コーヒーを飲みながら本を読んだり、勉強したりする来館者の姿が目立った=7日、佐賀県武雄市 佐賀県の武雄市図書館が「ツタヤ」図書館に衣替えして2週間。「予想を上回る盛況」と市側は喜ぶが、「商売が前面に出過ぎ」との声も聞かれる。 ■今月1日開館、すでに5万人 1日の開館以来、14日までの入館者数は5万4211人。旧図書館の2倍にあたる年間来館者50万人を目指す武雄市にとっても予想以上の盛況ぶりだ。 特に週末は図書館前の駐車場に入れない車が路上に連なり、渋滞する。福岡、長崎など県外ナンバーが4割近くを占める時間帯も。市民からは「地元の市民が利用しづらいというのは本末転倒」との声もあがる。 レンタル大手、ツタヤを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として運営する。「365日、朝9時から夜9時まで開館」「20万冊超の開架図
謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア (集英社文庫) 著者:高野秀行 出版社:集英社 ジャンル:一般 謎の独立国家ソマリランド [著]高野秀行 人がこの地球上で生きるのに、国家というところに所属しなければならなくなってどれくらい経つだろう。それが最良のやり方なのか、時々わからなくなる。 ソマリアと聞けば、無政府の内戦状態にあって、外国人が立ち入ることなど到底出来ないところだと思っていた。それが旧英領ソマリランドの部分だけ「勝手に」独立して、ソマリランドと名乗り、自分たちだけで話し合って内戦も解決し、十数年も平和を保っているという。そんなことができるんだろうか。にわかに信じがたい。 著者はこの国の「平和」を確かめるように歩く。主だった産業もなく、街は貧しいものの、市は立ち、ご飯に困ることはない。武器を携えて歩く者もいない。携帯電話も普及している。海外諸国から
卒業式の歴史学 [著]有本真紀 3月の風物詩といえば卒業式。ふと思い浮かべる曲は何だろう。〈仰げば尊し〉〈贈る言葉〉〈旅立ちの日に〉……。ハレの日にもかかわらず、そこにはうら悲しさが漂う。級友や恩師との別れに涙した人も多いだろう。 しかし、著者によると、そうした雰囲気の卒業式は「ほとんど日本に特有の学校文化」というから驚きだ。 しかも「卒業式で泣かないと冷たい人と言われそう」という斉藤由貴のヒット曲の歌詞とは裏腹に、近代的な学校制度が誕生した明治初期には、卒業式は「涙」や「別れ」とは無縁だったという。 一体いつから、なぜ、どのように卒業式はセンチメンタルな空間へと変容したのだろうか。目から鱗(うろこ)が落ちる史実を丹念に積み重ねながら、そのからくりを鮮やかに解き明かしたのが本書だ。 キーワードは「感情の共同体」。音楽(唱歌斉唱)の援用によって台本(式次第)にある「劇場作品」はより情操的深み
文芸春秋は18日、村上春樹さんの長編小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の20万部増刷を決め、発行計100万部になると発表した。12日に発売されたが、現在は売り切れの書店が多く、品薄状態になっている。
カール・シュミット入門講義 [著]仲正昌樹 もし今生きているとしたら誰に現在の状況を診断してほしいかといえば、カール・シュミットである。彼の著作や論文は数多くあるが、独特の文体や教養の深さなどを考慮すると、読者自らがシュミットの著作を読んで、彼が下したであろう21世紀の診断を推察するのは至難のわざだ。 しかし、本書が出たことでシュミットの「例外状況」「決断主義」「独裁」論などの背後に潜む哲学や世界観に迫ることができるようになった。難解なシュミットの著作を原典にあたりながら、例えば有名な「主権者とは、例外状況にかんして決定をくだす者をいう」というわずか1行に関して、著者は詳細でかつ説得的な解説を行うなど、シュミットの翻訳書を読んだだけでは気づかない点を知らしめてくれる待望の書である。 「何が普通なのか?」を、誰かが改めて決めなければならないような「限界状況」でこそ、「主権」の本質が明らかにな
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 [著]村上春樹 発売当日まで他の一切が伏せられていたので、このいささか奇妙な題名は、巷(ちまた)でさまざまな臆測を呼んでいた。だが、謎めいたタイトルは、この小説の内容をきわめて端的に表していたのだった。 多崎つくるは36歳、独身。少年の頃からの駅好きが嵩(こう)じて、鉄道会社の駅舎の設計管理部門に勤めている。名古屋で高校に通っていた頃、彼には男女2人ずつの、親友と呼べる仲間たちがいた。5人は、それぞれタイプはまったく異なっていたが、むしろそれゆえに、まるで正五角形のように完璧な親密さを形成した。つくる以外の4人は、姓に色が入っていた。あだ名は「アカ」「アオ」「シロ」「クロ」。つくるだけ色彩を持っていなかった。そして彼だけが東京の大学に進学した。20歳を前に帰省した際、つくるは突然、4人から一方的に絶縁を宣告される。理由はまったく思い当たらなかった。
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