どんな大物だろうと天才だろうと、人生の中では思い悩み苦しむことがあった。そんな時に光を照らし道を示してくれた恩師の思い出は、今も色鮮やかに心に刻まれている。落語家の林家正蔵氏(52)が、そんな恩師へ感謝の言葉を語る。 * * * 父の(林家)三平が亡くなってから、噺家、古典芸能など、あまたの世界の人に良くしていただきました。落語とは全く違う世界にいるのに、兄であり、父であり、哲学者であり、友人であり、師匠になってくれたのが所ジョージさんです。 所さんと出会ったのは、前座の修業が終わって、二つ目に昇進した頃でした。テレビにちょくちょく出させてもらうようになったころ、知り合いのディレクターが所さんの番組を担当していたので、最初は見学させてもらいました。次に通行人として出演し、その次はカンペ出し。そして番組出演、と階段を上っていきました。そこからは四六時中一緒でした。 所さんはとても柔和で、繊細