#14 体の具合のよくない生徒のこと このエッセイを書きはじめて半年になろうとしている。 「書く」こと自体はなにかしらずっとしてきたものの、特定のテーマで定期的にまとまった文章を発表し続けたのははじめてだ。意外と書きつづけられるものだなあ、と思っていたら、ここ二、三回で急速に書けなくなった。わたしは大概ぐうたらなので、怠惰によって「書けなさ」を味わうことはこれまでいくらでもあったのだが、今回はまた違いそうだ。 原因はなんとなくわかっている。 二月、このエッセイの第九回が、「バズった」。ツイッターで数万リツイートされ、アクセス数が六桁を超えた。ニュースで知った見知らぬ男性を取り上げた回だった。三十九歳の誕生日にファーストクラスに乗ったのに祝われなかったことに落胆し、レビューサイトに最低評価を書き込む男性。たしかにそれは失敗だったと思うけれど、彼に対するSNS上でのバッシングがあまりに多く、