運動しなくても痩せる薬。 運動や寒さによって骨格筋から血中に放出され、白色脂肪細胞を褐色脂肪細胞に転換する遺伝子を活性化させる 「irisin,イリシン」というホルモンが2年前にHarvard 大学のスピーゲルマン教授らによって発見された。 『A PGC1α-dependent myokine that drives browning of white fat and thermogenesis』 Nature 481, 463–468 (2012) 発見当初は夢のやせ薬として、激しい運動をしなくても同じような効果が得られる「運動ホルモン」ともてはやされ、夢の薬の出現として多くのベンチャーも飛びついたが、今ではその効果や存在そのものまで疑われ、ベンチャーキャピタルも撤退した。 白色脂肪細胞が、余剰エネルギーの貯蔵庫であるのに対し、褐色脂肪細胞は、脱共役蛋白(uncoupling prote