清原久雄も柏木和男も死なせずに済んだ筈、生きていて欲しかった。と一々ツッコミを入れてしまう癖がある自分は所詮、狭量で天邪鬼で物語を読む資格など無いのでしょうか。或いは自分で言うのも烏滸がましいですが感情移入し過ぎなのか・・・・・・。 三島由紀夫『鹿鳴館』のレビューです。 鹿鳴館とは 明治19年(1886年)の天長節に鹿鳴館で催された大夜会を舞台として、恋と政治の渦の中に乱舞する四人の男女の悲劇の運命を描き、著者自ら〈私がはじめて書いた俳優芸術のための作品〉と呼んだ表題作。他に、人間の情念と意志のギャップを描く嫉妬劇「只ほど高いものはない」、現代における幸福の不毛性への痛烈な挑戦「夜の向日葵」、六世中村歌右衛門のために書かれた「朝の躑躅」の4作から成る戯曲集。 それぞれのあらすじと感想 ~鹿鳴館 明治19年の天長節に鹿鳴館で催された大夜会を舞台に、政治と恋、陰謀と愛憎の渦の中で翻弄される男女