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ブックマーク / magazine-k.jp (3)

  • 『はだしのゲン』閉架問題が問いかけること

    終戦記念日を迎えてすぐ、反戦マンガとして知られる『はだしのゲン』の全巻が島根県松江市の小中学校の学校図書館で、昨年12月以来閉架扱いになっていたというニュースが伝えられた。昨年、作者の中沢啓治氏は死去しているが、平和教育の教科書的存在でもあった同書の学校図書館での扱いを巡って、議論が巻き起こっている。 封印された「はだしのゲン」 既報のとおり、一部の「市民」が、『はだしのゲン』は「歴史認識に問題あり」として、同書を学校図書館から撤去するよう、陳情を繰り返していた。いったんは松江市議会でこの陳情は否決されたが、その後、市の教育委員会が「内容をあらためて確認」した結果、「過激なシーン」の存在を問題視して、松江市内の小中学校の学校図書館において全巻を閉架処置としたものだ。 閉架に収められている書目が検索でき、必要に応じリクエストできる公共図書館と異なり、今回のような学校図書館での閉架処置となると

    『はだしのゲン』閉架問題が問いかけること
  • 本のない公共空間で図書館について考える

    「ブラウジング」という言葉をご存じだろうか。 インターネットのサイトをみてまわることを意味する言葉として知っている方もいるかもしれないが、そもそもの意味は、取り立てた目的もなく図書館の書架のあいだをめぐり、気になったを手にとることをいった。それをくり返すなかで思いがけないに出会い、知識や関心に広がりがもたらされることが図書館の魅力のひとつだろう。 メディアセブンという場所 川口市立映像・情報メディアセンター「メディアセブン」(以下、メディアセブン)では、その「ブラウジング」という名を冠したトークイベント「ブラウジングトークセッション」を行っている。さまざまな分野の方をゲストに迎え、話を聞くことで、あたらしい知や情報に出会って関心を広げてもらうための場として企画した。むずかしい話を聞いてありがたがってもらうよりも、その日の話から自分の日常生活をふり返り、いつもの生活がすこしだけ変わるきっ

  • 本のための綺麗で明るい場所

    以下の文章は、多くの仲間に向けたメモ書きの第一弾である。 私はこれからの一連のメモで、「電子出版が成功するには、さまざまな形のがネットワーク化されたもの、という発想を大きく越えたものにならなければならない」ということを言おうと思う。思いがけないことに、この考えは次の問いにつながる。「書店はどうすれば、アマゾンやグーグル、アップルに対抗して(あるいは彼らを通じて)、出版社のブランド価値を取り戻せるように進化できるだろうか」。 この問題はまだ、私のなかでも考えが固まっていないものだが、他の人々にも議論に参加してほしいため、ここに投稿する。 読書という行為が「印刷された紙のページ」から、「社交的なやりとりが行われるよう設計されたオンライン空間」でなされるようになったときに、いったい何が起きるかを調査していくうち、「とは、そこに読者が(ときには著者が)集うことができる場所のことである」という考

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