2008年、初めての退場、初めてのケガ。 そして4回の手術を経て 箕輪義信の現役時代は終わりを告げた。 2011年まで2年半リハビリでもがき続けたが 復帰の夢は叶わなかった。 そのせいだろうか。 箕輪の魂はまだピッチの上をさまよっているよう見える。 背中から黒い炎を立ち上げながら ピッチに入っていたころの迫力は健在だ。 現役時代からあまり口がうまい人物ではなかった。 教師になった今も多くのことを抱え込み きっと苦しんでいることだろう。 話し始めたときは背中が丸まり、 胸の中にたくさんの空気が入っているようだった。 そんな状態で箕輪はポツリ、ポツリと語り始めた。 どうして川崎時代にあれほど追い詰められた表情だったのか。 札幌に行って何が変わったのか。 そして1試合だけで終わってしまった日本代表に何を思うのか。 7年間見られなかった録画があるという。 その映像の中で相手が自分を引っ張らなければ