段ボールで囲った区画で避難するペットの犬=17日、岩手県大船渡市の大船渡中学校、諫山卓弥撮影 震災はペットと飼い主との暮らしも引き裂いた。家族同然のペットを連れ、避難所で、動物が苦手な被災者とどう共生するか。はぐれたペットはどうやって保護すればいいのか。国内でペットとして飼われている犬と猫は2千万匹を超えるといわれるなか、大災害のたびに問いかけられる課題だ。 岩手県大船渡市の大船渡中学校の体育館の隅に、パイプ椅子と段ボール箱で仕切られた一角がある。ペット連れの避難者のためのスペースだ。避難所の自治組織によると、ペットへの苦情が目立ち始めたからだという。 新沼芳彦さん(46)は、チワワの「茶々」と一緒にこの中で暮らす。津波が自宅を襲う直前、妻の睦子さん(47)が持ち出せたのは位牌(いはい)と茶々だけだった。 「動物が苦手な人もいるからしょうがない」とこぼしつつ、茶々をなでながら「子ど