政府が「吉田調書」を公表したことを受け、朝日新聞は11日、東京電力福島第1原発事故当時、吉田昌郎元所長の命令に反して所員が撤退した、とする5月20日付記事の誤りを認めた。九州で原発に関わってきた人々からは、「事実の歪曲(わいきょく)だ。正確な情報を伝えるのがマスコミの使命じゃないのか」と批判の声が上がった。 × × × 九州電力は昭和50年10月、玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の営業運転を始めた。初の純国産原子炉だった。「原発で日本のエネルギー不足を解消する」。強い使命感を支えに、苦難を乗り越えた当時の関係者は、朝日新聞の吉田調書報道に憤った。 50年当時、原子力建設課長として1号機建設を担った徳渕照雄氏は「朝日新聞は、きちんと真実をつかんでから報道すべきだった。日本の原子力産業の一角を担ってきた身として、誤解を招く記載があるのは極めて不本意です。間違いがあったのなら、すぐに謝罪や訂正を
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