宮崎駿が語った「高畑勲という人」 作品のためなら何でもする。その結果、未来を嘱望された人間を次から次へと潰してしまった。宮さんはよく「高畑さんのスタッフで生き残ったのは、おれひとりだ」と言います。誇張じゃなく、本当にその通りなんですよ。高畑さんの下で仕事をすれば勉強になるとか、そんな生やさしいことじゃないんです。酷使され、消耗し、自分が壊れるのを覚悟しなきゃいけない。 「パクさんは雷神だよ」。宮さんは最近そう言っていました。高畑さんが怒るときはいつも本気なんです。その人を鍛えるため、仕事への姿勢を変えるために言うんじゃない。本気で怒っているから、何の配慮もしません。逃げ道も作らないし、あとで救いの手を出すこともない。だから、怖いですよ。 『火垂るの墓』の製作に携わった新潮社の新田敞さんがいみじくも言っていました。「松本清張や柴田錬三郎、安部公房、いろんな作家と付き合ってきたけど、あんな人は
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