2017年11月30日のブックマーク (4件)

  • 小説「記憶のたわむれ」② - Blue あなたとわたしの本

    藤堂さんも一人暮らしだった。僕の部屋とはちがいよく片付いていた。天井の照明は意図的に光度が落とされていた。フローリングされた小ぎれいなワンルームだったが、暖房器具は電熱棒が赤く灯るタイプのヒーターしかなく、少し寒かったのを覚えている。モスグリーンのカーテンが窓にかかっていた。パイプでできた黒いシングル・ベッドが左の壁ぎわへ寄せられ、その足もとには棚が立っていた。思いのほか小説が多い。近代日文学がよく揃っていた。右側の壁には簡素な書き物机。ポスターの類はない。たしか、十一月の終わりごろのことだ。 座ぶとんを敷き、部屋の真ん中に置かれたロー・テーブルをはさんで向かいあった。藤堂さんのつくった野菜炒めをべ、ビールを飲んだ。焼き肉も出してくれた。「そういえば八代はまだ未成年だったな」と藤堂さんはいたずらっぽく笑いながら、グラスに缶ビールをついでくれた。 藤堂さんの好きな小説家を尋ねてみた。そ

    小説「記憶のたわむれ」② - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/30
    人生では誰も負けないようにできてるんだって。おばあさんの思い出すごくいいです。
  • 小説「記憶のたわむれ」① - Blue あなたとわたしの本

    窓から差しこむ秋の陽射しが小説原稿を照らしている。常緑樹を通して届くその光は、ゆれ動く模様を作っている。楕円形の光斑こうはんが三角の影にまじわり、たわむれ、離れてはまた重なり、いつしかひとつの光となって判別もつかなくなる。 新作の二十回目の書き直しがいま終わった。三週間寝かせたあとの推敲でほとんど直したいところがなかったから、今回の修正で最後としてもいいのかもしれない。いつものようにいじり続けるのだろうけど。僕の手もとを離れ、印刷にまわされるまで。 初めてあの話を──と思った。作品のなかに組みこんだな。 十九歳だった僕にその話を聞かせてくれたのは、藤堂とうどうさんという三十一歳になる男の人だった。それからすでに十二年の月日が流れた。いまでは自分も三十一歳になったというわけだ。藤堂さんとの付き合いは、もうない。彼がどこにいるのかもわからない。藤堂さんなどという人物が当に存在したのかどうか、

    小説「記憶のたわむれ」① - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/30
    新作きましたね!さすがのきれいな日本語の文章。読んでいて読みやくそして続きへと急いてしまいます!
  • 食レポ 日暮里エベレスト カレー+ビールセットが1000円のネパールカレー - 今日のごはんは何にしようかな 

    インドカレーにビールって大好きなんですが、インドカレーのセットって大抵1000円ぐらいするし、ビールが500円ぐらいするので、ちょっと贅沢モードになってしまうのが困りものでした。 しかし、カレーとビールセットで1000円というお店があったのです。 日暮里駅前のエベレストカレー 外観 メニュー 生ビール カレーセット チキンカレー チキンティッカ 過去のレポ 日暮里駅前のエベレストカレー そのお店は日暮里東口駅前、ステーションポートタワーというタワーマンションの3階に入居するエベレストカレーです。インドカレーの店は、少なくとも関東では8割方ネパール人シェフではあるのですが、このお店は潔くネパールカレーを銘打っていて、ネパール国旗も掲げられています。このようにネパールを表に出している店も4-5割あります。そういう店ではネパール料理である焼きそばみたいな麺料理とかもあったしします。 外観 ビル

    食レポ 日暮里エベレスト カレー+ビールセットが1000円のネパールカレー - 今日のごはんは何にしようかな 
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/30
    エベレストカレー、ちょっと前に行ってきました!はじめてのエベレストビールをのみながら、カレーをいただきました!
  • それぞれの時間 - suzu@kick diary

    快晴の平日、お昼過ぎ。 約束の時間までの小1時間、ぶらっと多摩川沿いをあるいた。 その日は風も穏やかな暖かい陽気。 好天気に恵まれた川沿いの遊歩道は人々でにぎわいをみせていた。 草原の上にレジャーシートを敷いてお弁当をべている恋人たち。 川のなかに入って釣りをしている人。 それを橋の上からカメラで撮っている人。 サンバイザーをつけてランニングしている中年の女性。 杖をついたおじいさんと一緒に寄り添って歩くおばあさんの夫婦。 川べりで水の中をのぞきこむ少年グループ。 頬を昼間から赤く染めた自転車に跨る陽気な中年おじさん3人組。 などなど。 短い時間の中でたくさんの人生と交差した。 各々がそれぞれの時間を好きなように過ごしていた。 歩きながら僕はススキがたくさん群生している場所を見つけては しばし立ち止まってススキの穂を眺めた。 風にゆらりと揺れる穂先は陽の光をうけて輝いてた。 それは見惚れ

    それぞれの時間 - suzu@kick diary