ブックマーク / btomotomo.hatenablog.com (86)

  • 俺だぞ! 俺が書くんだぞ! - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 215 羽生結弦さんの言葉に、 「俺だぞ! 俺が滑るんだぞ!」というのがある。 僕はこの発言が好きだ。 いま3年ぶりに僕も小説を書いてる。 「俺だぞ! 俺が書くんだぞ!」 という自負が、やっぱり、ある。 「お前ごときがおこがましいんじゃ」って、 いまたくさんの人が思っただろうけど、 そう思った人は── ヤバイよ。 自分自身にも、 「お前ごときが── 」って 意識的にせよ無意識にせよ 言ってる確率が高いから。 誰だってさ、 誰だって、 スゴい人なんですよ。 スゴい力を持ってるの。 なのに生きてきたどっかでさ、 自分の可能性をとっくにあきらめた大人の言葉で、 真っ当な自尊心を 砕かれちゃったんだよ、多くの人は。 誰だって、 凄い力を持ってたのに。 私だぞ! 私が書くんだぞ! と思って書いてください。 私だぞ! 私が歌うんだぞ! と思って歌ってください。 私が弾くん

    俺だぞ! 俺が書くんだぞ! - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/11/29
    俺だぞ!俺がやるんだぞ!の精神忘れない。これは何度も読みたい、忘れたくないです。
  • 「決断」しつづける あなたへ - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 214 「決断」 あなたがもう10代でも20代でもないのに、 決断というものが、 色濃くあなたの人生のそばにあるのなら、 あなたがまだ挑戦しているということだし、 自分の未来を、 可能性を、 見限っていないということです。 ご自身を誇りに思ってください。 この部分を人が褒めてくれることは なかなかないかもしれないけど、 僕にはあなたの、 深海でたった一人で決断を下すような、 その怖さが、 覚悟が、 勇気が、 そしてやはり 恐怖が、 痛いほど分かる。 だから、 だけど、 自分を励まし、 尊重し、 今日も、 明日も、 決断しつづけてください。 時にはうまくいかないこともあるだろう。 笑われることも、 非難されることもあるかもしれない。 罵声を浴びせかけられることなんかも。 だけどその勇気が、 新たな一歩を踏み出すその勇気こそが、 さえぎるもののない 見晴らしの良い

    「決断」しつづける あなたへ - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/11/26
    今決断のときであり、大きなストレスにもなっています。が、決断しなければ進めないので僕は迷って迷って自分の道を決めて、そして進みたいです。
  • 「自分なんて」と気持ちが沈んだときに読んでほしい。 - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 213 「こんな自分なんて」と思わないで。 自分でそんなふうに思わなくても、 「お前なんてダメさ」と 嫌というほど人が言ってくれるでしょ。 「自分なんて」と自ら思ってしまったら、 いったい誰があなたを励ましてくれるんだい? こんなふうにたまに現れて、あーだこーだ言う 僕みたいな人間が味方なんじゃないぜ。 あなたの当の味方を知りたいのなら、 鏡のある部屋に行ってみ。 鏡の前に立ってみ。 そこにあなたの ホントの味方が映るから。 つらかったあのときも、 嬉しかったときも、 思わずガッツポーズしたあのときも、 くやしくて涙がにじんだときも、 絶望に心が虚ろになっちまったあの夜も、 ずっとずっと、 どんなときも、 あなたと一緒にいてくれた人が 鏡のなかに映るから。 全ての感情を 共にしてくれた人が 鏡に映るから。 その人があなたの当の味方なんだよ。 よく見てみ。

    「自分なんて」と気持ちが沈んだときに読んでほしい。 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/09/19
    自分の最大の味方は自分ですね。頑張った、苦しんだ自分を否定したら誰もいない。ほめてあげたいです、この自分自身を!
  • 命は誰かに食べてもらい、その滋養となりたいのかもしれない。 - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 212 庭の畑でミニトマトを育てているのですが、よく実りました。ザルにいっぱい取り、水道水で洗い、ボウルに移します。冷蔵庫で冷やしてからいただくと、とてもおいしい。ミニトマトの表面はほどよく硬く、噛むとぱきゅ、と砕けます。甘さと酸っぱさがきれいに混じり合う。もぎたてのまま口に入れると、太陽の暖かさがそのまま感じられ、これはこれで頰がゆるみます。「豊かだなぁ」と声がもれます。「幸せだなぁ」と。── 豊かさ・幸せって、そんなに難しいものでもなく、意外と簡単に手に入るものなのかもしれませんね。 ミニトマトって、ふつうのトマトよりもカロテンやビタミンC がむしろ豊富だそうですよ。鉄・カリウム・亜鉛などのミネラル分も上回っているそうです。リコピンの含有量も多いそうですね。ちっちゃいのにスゴいなぁ。(「の医学館」参照 ) 先日、ふとこんなことも思いました。もし、これらの

    命は誰かに食べてもらい、その滋養となりたいのかもしれない。 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/08/16
    生きて、自分自身の何かが誰かの中にはいって、そこで生き続けたり、新しいきっかけみたいなことを気づかせたりしてくれる、それが生きることのひとつの意味なんですね。智さんの文章も自分の中で生きています。
  • 「才能」という言葉は時に人を追い詰める。だから「居場所」という言葉を使いたい。 - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 211 人と外で会っていて家に帰ってくると、「あぁ、あの言い方はあの人を傷つけてしまったんじゃないだろうか」と考えてしまうことがあります。あるいは、「あの言葉じゃなかった。こっちの単語を使ったほうが彼を勇気づけることができたのに」とか、「彼女を慰めてあげることができたんじゃないか」と思うこともあります。 そんなとき僕は、文章を書きたくなります。文章という「居場所」へ戻りたくてたまらなくなるのです。 文章のいい点は、推敲できるところです。伝えたいことに可能なかぎり近づくよう、何度も何度も書き直せるのです。そうしても誤解を与えることや、傷つけてしまうことはあります。でも人と直接対話するよりかは、誤解を与える可能性は少ないはずです。然るべき時間をかけて、推敲したならば。文章のそういうまどろっこしくも心を尽くせるところが、僕は好きなのです。 文章を書く行為が、僕の「居

    「才能」という言葉は時に人を追い詰める。だから「居場所」という言葉を使いたい。 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/07/20
    いつのまにかそこに理想や才能を持ち込んだり、嫉妬が芽生えたり、本来の楽しさを見失ったりしてしまうことあります。今僕自身岐路に立っているというのもあって、好きだったころの事思い出しました。
  • ナツ 四日間だけの家族 - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 210 ── 僕が歩いている。 その瘦せぎすの子を見てなぜそう思ったのか分からない。僕が歩いていると瞬間的に思った。真昼だ。子と言っても、ほんのまだ生まれたてのようなだ。元の色も知れないほどに黒ずみ、今にも倒れそうな足取りで人気もない裏通りを歩いている。蝉しぐれを全身に浴びながら。 いやなものを見たと思った。ふだん通りもしないこんな裏道をなぜ自分は選んだんだ? 憤りにも似た感情を覚えた。こちらも歩きだ。足を早めた。すれ違うときに横目で見下ろした。もう長くは持たないなと思った。骨と皮だ。どうして生まれたてみたいなこんな子がたった一匹でいるんだ? もう長くはない。手遅れだ。いやなものを見た。忘れよう。 どうして家につれて帰る気になったのか自分でもはっきりしない。抱きかかえても何の抵抗もしなかった。ぐったりしていた。疲れきった獣の臭いがした。 家の床へ下ろし

    ナツ 四日間だけの家族 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/06/29
    良い文章を読ませてもらったなという思いです。ナツさんが今こうして智さんが心こめて、ナツさんのことを書いていると知って産まれて出会った幸せを感じていると思います。
  • 掃除ほどお得なことはないという話 - Blue あなたとわたしの本

    エッセイ Blue 26 ほんと、掃除ほどお得なことはないと思います。掃除はめんどくさいですって? そうですねぇ。じゃあ、そんなあなたは、 「掃除ほどお得なことはない」 このアファーメーションを唱えるところから始めましょうか。 一日10回、3日も唱えれば、お得なことが大好きなあなたですから、「ほんとにお得なの? お得なんだったらやっちゃおうかな?」って気持ちになってきます。 何ごとも己の敵は己です。「己」が邪魔をしとんねん。己を制する者は世界を制します。 これだけがんばってるのにどうしていまひとつうまくいかないんだろう? って人がもしいらっしゃったら、それは掃除が足りないからかもしれませんよ。いつも気持ちが沈みがちな人もそうかもしれません。『夢をかなえる「そうじ力」』の著者、桝田光洋さんの言葉にこんなのがあります。「部屋が汚い人は不幸感覚が強く、部屋のキレイな人は幸福感が強い」。これ、アル

    掃除ほどお得なことはないという話 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/05/14
    この境地(己を制する者は世界を制します)を目指していきます。ちょうど掃除機が壊れてしまったので新調して、掃除生活も豊かなものにせねばですね!
  • 悩みを打ち消す、あるひとつの方法 - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 208 悩みを打ち消すには、 情熱を覚えることに 集中するのです。 没頭するのです。 時間もないところへ 没入してしまうのです。 こんなことが好きだと知れたら 人はどう思うだろう? 才能はあるのだろうか? 認められるだろうか? そういったことも考えないのです。 そんなことも頭に浮かばないほど 入り込んで、 自分も世界も消してしまうのです。 悩みごとを解決するために 意識的に考えるのは 有効ですが、 無意識に悩みごとに 焦点を当てつづけるのは 逆効果だと知ってください。 熱中する者は 悩みごとから解放されます。 悩みにフォーカスしていないから さらなる悩みを引き寄せることもありません。 没頭する者は夢中です。 夢中だから さらなる夢見心地を呼び寄せます。 しかるべき手を打ったら 悩みから目をそらし、 好きなことのなかに 逃避してしまうのも 知恵なのです。 好きな

    悩みを打ち消す、あるひとつの方法 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/04/17
    入り込んで、入り込んでそして無になる。集中状態をつくり、 ゾーンに入って闘える人は本当に強いです!!好きなことに没入する感覚は忘れたくないですね。
  • その哀しみがあなたを - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 207 その哀しみがあなたを、 落ち着きのある人間にしたのです。 あの哀しみがあなたを、 深みのある人間にしたのです。 哀しみは肉体的な痛みに近いくらい、 時にはそれ以上の傷みを伴うけれど、 その哀しみが、 いまのあなたを作ったのです。 哀しみを体に収めた人は、 草花の癒しに気づくようになります。 動物の愛らしさに。 空    そらの分けへだてなさに。 「美味しい」ということが 慰めであることにも気づきます。 音楽の言葉が、 詩の旋律が、 心の底まで届く人にもなります。 すでに世を去った表現者たちと 親友になることもできるのです。 同じ哀しみを知った人を、 深い目で見つめることもできます。 だから、 哀しみと共に歩むあなたを どうか哀しまないで。 その愁うれいを、ちん、と沈めたまま、 ほほ笑めるご自身を尊重してあげてください。 あなたにしか見えないきれいなもの

    その哀しみがあなたを - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/03/06
    哀しみを知る人は優しさを知っている人でもありますね。 智さんはきっと誰よりも傷つき、哀しみを知る人だと思います。 他社へ優しい眼差しを向けるまでにすごい時間がかかったのではないかと ふと思いました。
  • おめでとう! 必然・必要・ベストなあなた!! - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 205 どうして自分はこうなんだろう? って悩んでる人、多い。 「あなたはあなたのままでいいんだよ」って言うと、流行り文句みたいだし、「そんなあなたでも認めてあげようよ」みたいな消極的な感じも出ちゃって、もうひとつなんだよね、この言い回しって。 僕が言いたいのは── 「あなたは必然・必要・ベストで〝そう〟なんだよ! おめでとう!!」 みたいなニュアンスなんです。もっと全然、ポジティブな意味合いなの。 僕なんかもさ、今まで 20カ所以上の職場を経験してるんだけどね、 例えば昼休みとかでもさ、「みんなで集まって弁当おうぜ!」とか「ランチに繰り出そうぜ!」とかって職場、あったでしょう? 僕からしたら(昼休み、ってことは1人になってもいいってことじゃないんスか?)って感じですよ。(公園とか百貨店の屋上で1人でべたいんですけど)って。(そんでもってそのままベンチでお

    おめでとう! 必然・必要・ベストなあなた!! - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/02/14
    智さんと似てると思います!集団行動が苦手でしたし、あわせるくらいなら一人がいいと思ってしまいます。
  • 限界を超えるための簡単な方法 - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 204 これ以上のことは もうできないだろうっていうのは 単なる 思い込みなんだよね。 限界は 超えられるんだ。 どうやって超えるかっていうと 「超える」って 決めてしまうの。 ただ決めちまうんだよ。 「この先へ行く」って。 そうしたら、 もっと先へ行くための 色々なものが 集まり出すんだ。 何を補い、 何を勉強すればいいのか、 先へ行くためのパワー、 エネルギーも、 ヒントも アイディアも 方法も、 向こうから、 全て、 〝来る〟。 めまぐるしいほどの勢いで、 四方八方からね。 あなたやわたしの力が 無限だっていうのはそういうこと。 この世界が、 宇宙が、 無限なんだから。 ココ、ってそういうところ。 人間、ってそういうもの。 鍵となるのは、 「もっと先へ行く」って、 決めてしまうことなんだ。 自らの内部へ、 外部へ、 その区別さえもない次元に向かって、 決

    限界を超えるための簡単な方法 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2018/01/10
    今年は越えることに決めました。今後も胸に響く言葉を読ませていただきます。実り多い年にしていきましょう!
  • ニュースにすべき、あなたのそんな今日 - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 203 耳を疑うような悲惨な ニュースが 続けざまに聞かれることもあるでしょう。 でも 今日、 あなたは誰かに やさしくした。 やさしさとは 思いやることです。 思いやるとは、 想像力を働かせることです。 今日あなたは 想像力を働かせ、 人を思いやり、 やさしくした。 あなたのそんな今日こそ、 みんなに知ってもらいたい ニュースです。 つい忘れがちになるけれど、 いつの世だって、 ニュースにはならない (ほんとはニュースにすべき) やさしい行いのほうがずっと多いのです。 あたたかな気持ちから出た、 やさしい行為のほうがずっとずっと多いんです。 情報に惑わされないようにね。 決して悪意に取り囲まれているわけじゃないから。 あなたの大切な心を 暗く沈めないで。 命が命を 思いやる、 やさしさの力を、 僕は微塵も疑わない。 希望を 思い描こう。 行動し、 感じよう。

    ニュースにすべき、あなたのそんな今日 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/12/19
    みんなの優しさとかうれしさとか、そんなものたちで世界は作られている、そう思って日々生きていたいです!!
  • 小説「記憶のたわむれ」⑦ 完結 - Blue あなたとわたしの本

    話は──終わったのだ。 なんと言えばいいのかわからなかった。右の手の甲で意味もなく口もとをこすっている自分に気づいた。膝の上に手のひらを戻した。藤堂さんは同じ姿勢のまま、動かなかった。 「つまり──」と声をひそめて僕はささやいた。「おばさんは、幽霊だった──」 「わからん」、藤堂さんは思いのほかすぐに答え、顔をあげた。ゆっくりと頭をふり、どこか自嘲気味に微笑わらった。 「いまでもわからんよ。おばちゃんにはしっかりした存在感があったし──なんといっても抱擁までしたんだからな。和服に染みついたお菓子の匂いまで嗅ぐことができた。温かな涙まで流してた。そんな幽霊っているか?」 藤堂さんはまた短く黙ったのち、つづけた。 「だけど──そうだったんだろうな。そうとしか考えられない。説明がつかない。正直──俺にはもうどうだっていいんだよ。幽霊だろうが、夢を見ていたんだろうが。俺はたしかにあの夜、おばちゃん

    小説「記憶のたわむれ」⑦ 完結 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/12/14
    智さんの作品のなかで一番好きになりました。本当に本になって手元において読み返したいです。勇気もらえる作品です。ありがとうございます。
  • 小説「記憶のたわむれ」⑤ - Blue あなたとわたしの本

    店の正面まで来た。もう迷いはなかった。硝子の引き戸に指をかけ、覚えのあるその重みを──ゆっくりと横へすべらした。 菓子の甘い匂いとともに、クレヨンをぶちまけた色彩が魚眼レンズを覗いたみたいに目に飛び込んできた。なにもかもが変わってなかった。ほんとに、なにもかもがだよ。 奥の隅に──おばちゃんがいた。 昔とおなじ丸椅子に腰かけてた。えび茶色の和服の上に白い割烹着をつけてた。記憶にあるそのままの姿だよ。すこしだけ、小さくなったような気はした。 目が合った。屈託のない・昔のままの表情だった。痛みにも似た懐かしさが胸にひろがった。俺だってわかってはいなかった。取材うんぬんの話を俺は早口にしゃべった。おばちゃんは、ええよ、ゆっくり見ていってや、もう子どもも来こんやろうしね、と言った。声も記憶しているものとまったく同じだった。しゃべりかたもいっしょだ。自分の頬がゆるんでいくのがわかった。たぶん、何年か

    小説「記憶のたわむれ」⑤ - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/12/07
    〈故郷そのものに抱かれてる〉おばあさんとの再会、心が動きますね。先を読みたいようで、読むのが恐い。 不思議な気持ちです。
  • 小説「記憶のたわむれ」② - Blue あなたとわたしの本

    藤堂さんも一人暮らしだった。僕の部屋とはちがいよく片付いていた。天井の照明は意図的に光度が落とされていた。フローリングされた小ぎれいなワンルームだったが、暖房器具は電熱棒が赤く灯るタイプのヒーターしかなく、少し寒かったのを覚えている。モスグリーンのカーテンが窓にかかっていた。パイプでできた黒いシングル・ベッドが左の壁ぎわへ寄せられ、その足もとには棚が立っていた。思いのほか小説が多い。近代日文学がよく揃っていた。右側の壁には簡素な書き物机。ポスターの類はない。たしか、十一月の終わりごろのことだ。 座ぶとんを敷き、部屋の真ん中に置かれたロー・テーブルをはさんで向かいあった。藤堂さんのつくった野菜炒めをべ、ビールを飲んだ。焼き肉も出してくれた。「そういえば八代はまだ未成年だったな」と藤堂さんはいたずらっぽく笑いながら、グラスに缶ビールをついでくれた。 藤堂さんの好きな小説家を尋ねてみた。そ

    小説「記憶のたわむれ」② - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/30
    人生では誰も負けないようにできてるんだって。おばあさんの思い出すごくいいです。
  • 小説「記憶のたわむれ」① - Blue あなたとわたしの本

    窓から差しこむ秋の陽射しが小説原稿を照らしている。常緑樹を通して届くその光は、ゆれ動く模様を作っている。楕円形の光斑こうはんが三角の影にまじわり、たわむれ、離れてはまた重なり、いつしかひとつの光となって判別もつかなくなる。 新作の二十回目の書き直しがいま終わった。三週間寝かせたあとの推敲でほとんど直したいところがなかったから、今回の修正で最後としてもいいのかもしれない。いつものようにいじり続けるのだろうけど。僕の手もとを離れ、印刷にまわされるまで。 初めてあの話を──と思った。作品のなかに組みこんだな。 十九歳だった僕にその話を聞かせてくれたのは、藤堂とうどうさんという三十一歳になる男の人だった。それからすでに十二年の月日が流れた。いまでは自分も三十一歳になったというわけだ。藤堂さんとの付き合いは、もうない。彼がどこにいるのかもわからない。藤堂さんなどという人物が当に存在したのかどうか、

    小説「記憶のたわむれ」① - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/30
    新作きましたね!さすがのきれいな日本語の文章。読んでいて読みやくそして続きへと急いてしまいます!
  • 真理? ─あるいは自分自身への喝─ - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 202 「なんであんな 馬鹿なことに 挑戦してしまったんだろう?」 なんて、 この世を去る間ぎわに 悩む人間なんて いないってことだよ。 その 〝逆は〟 多いだろうけどね。 そう、 挑戦しなかったことを 悔やむ人間は。 それこそ─── 死ぬほど多いんじゃねえの?

    真理? ─あるいは自分自身への喝─ - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/27
    思いっきり生きたなと思って最後迎えたいです!
  • 自由自在のすすめ ─感じるために生きるんだ─ - Blue あなたとわたしの本

    Blue あなたとわたしの 201 感じるために 生きるんだと 思ってごらん。 するとそこに 〝失敗〟なんて ないことに 気づくから。 何かをやれば なんらかの結果が出るよ。 そして何かを 感じるはずだ。 感じるために 何かをやって、 結果、何かを 感じたわけだから、 うまくいったわけさ。 〝成功〟したわけです。 感じるために 生きるんだと 思ってごらん。 するともう、 〝恐怖〟なんて ないことに 気づくから。 〝成功〟しかそこにはないのだと。 〝無敵〟になっちまいなよ。 〝敵〟はいつだって あなたのなかにいるんだから。 気づいているんでしょう? ずっと前から。 感じるために生きるんだ。 感じるために生きるんだ。 「感じるために生きるんだ」と 口に出してごらん。 不思議な 安堵と 活力が、 内側に宿るから。 ワクワクさえしてくるんだよ。 自由自在の境地は、 もうそこまで来てるんだ。 思う

    自由自在のすすめ ─感じるために生きるんだ─ - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/17
    そう思っていけば失敗なんてないですね。どこにも。感じること、それが全てで答え、その精神でやるのみです!
  • 小説「YES」⑧ 完結 - Blue あなたとわたしの本

    十七歳の夏、そんな体験をしました。もちろんこれは私の人生にとって、とてつもなく大きな意味をもつ出来事でした。それまで抱いていた厭世観えんせいかんのようなものが百八十度変わってしまったのです。吹き飛んでしまいました。 そうです。同い年である彼女もまた、八月六日を体験していたのです。 広島市に原子爆弾が投下されたのは、国民学校の一年生、七才のときのことでした。朝の八時十五分。地上600メートル上空で炸裂し、爆心地周辺の温度は一気に3000度まで達したそうです。私はちょうど通学途中で、爆心地から二キロと離れていない場所を歩いていました。石造りの高い壁があり、私はその石垣に沿って歩くのがいつもの癖でした。結果的に、それで熱線の直撃をまぬがれたようなのです。奇跡的なことだそうです。そのときの広島市の惨状といったら、それはもう、地獄です。みなさまも記録映画等でごらんになっているでありましょうから、くど

    小説「YES」⑧ 完結 - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/13
    黄色い花が最後出てきたとき、yesといえるようになりたいと思いました。 今はまだかもですが、たくさん感じたい。そう思えました。ありがとうございます。
  • 小説「YES」⑥ - Blue あなたとわたしの本

    翌週はもう新学期が始まりました。 私は日曜日が来るのを待ちわびて、また上流まで行ってみたんです。でも、何度行っても彼女には会えませんでした。もう学校が始まっているんですものね。 ── 十六歳の、私の夏はそれで終わったのです。 そして十七回目の夏がやってきました。 私は夏休みに入ると、すぐに上流に通いだしました。あの場所へ。毎日です。もちろん彼女にまた会えるのではないかと思ったからです。 ── 彼女は、来ませんでした。 いちども会わないんです。去年みたいに行き違いになっていたということもないのです。こちらは毎日来ているわけですから。それでも、会えませんでした。 八月も半ばを過ぎました。私の肌は何度も皮がめくれ、ひどいことになっていました。ほとんど火傷のような状態です。痛くて痛くて、風呂に入るのも一苦労でした。それでも毎日上流へ通いました。 そして八月もあと数日という日、彼女を見ました。 その

    小説「YES」⑥ - Blue あなたとわたしの本
    suzukiyuta3104
    suzukiyuta3104 2017/11/13
    せつない気持ちわかります。一途ゆえに熱がつたわってきますね。最後知りたいようで知るの恐いそんな感覚。